足跡のかげ
小槻みしろ/白崎ぼたん
第1話
祖母の家は、小学校の通学路の坂道を、右に抜けたところにありました。ささやかに植木の植えてある小さな白い家に、祖母は祖父と二人暮らしていました。
私と
祖母はいつも私と翔を歓迎してくれました。「よく来たねぇ」とドアを開け、笑顔を向けてくれました。祖父は無愛想で口べたなひとでした。だから、私たちが来ると、「来たか」というとむっつりと黙り込み、新聞を読むふりをしたり、部屋にこもったりしていました。
私たちは祖母が大好きでした。祖母は私たちにいつもあたたかな笑顔を向けてくれたからです。
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