本格ファンタジーその密林の真相

三屋城衣智子

第1話 本格ファンタジーは、ありまぁす!

※ なろうからの転載となります。

  なろう版冒頭の挨拶を削除したので、始まりがヘンテコリンのりんなのは、ご容赦を。

  また、少々の加筆をしています。本当にちょびっと。


――――――――――


 根っからの語りたがりぃで結局エッセイ沼脱出はなりませんでした!


 というわけで、面白い話題があったので勝手に首を突っ込むスタイル。

 ちなみに、『本格ファンタジーという何匹目かのドジョウを掬いに行くついでにラノベについてのうんちくを含む前に一言で言い表すと一般人が少年小説と少女小説を総称したかった、でFAというネットが優秀だっただけの話を今からする』というタイトルをつけようとして、百文字で書けやゴルァと怒られたので、削りました。

 FAはファイナルアンサーを略。


 どこかに削り節が出たはずなので、鰹節好きな方は、ハムハムしながら一読していただけるとありがたい限り。


 さて、語る前に前段階の話としてどこで何が語られていたかというと。

 まぁついった創作界隈で二〇二〇年あたりから定義づけしたい人が語っているようで。

 「諧謔」という言葉がある通り、推察するにある種炎上商法にて自作品を宣伝している模様。

 知名度上げ戦略ですね。


 というわけで、そこのあたりについては割愛して。


 本格、ファンタジー、ライトノベル――とりわけ本格とファンタジー、そして本格ファンタジーをこの際なので定義する!

 勿論日本国内に限る。




 私はgoo辞書様を愛しているので、毎度そこからの引用です。


 引用始まり――――――――


  ほん‐かく【本格】

   [名・形動]本来の格式。もともとの方式。

         また、それに従っているさま。本式。


  ファンタジー【fantasy】

    1 空想。幻想。 2 幻想曲。

    3 幻想的なテーマを扱った文学などの作品。


 引用終わり――――――――goo辞書 出典:デジタル大辞泉(小学館)より


 これが前提。




 さてはて。

 ファンタジーとは空想とあります。

 私の中のイメージとしては、現実以外って感じのぼんやり感の、単語です。

 現実にはあり得ないことを想像すること、と辞書にはあるのでぼんやり捉えていた範囲でも大体は合っていそうですね。


 では、本格――それもファンタジーにおける「本格」とは、一体どの形式や方式を言うのでしょうか?

 それを紐解くには、近代においてファンタジーという単語が担ってきた役割を知る必要がある、と思いますので、以下に調べたことを述べたいと思います。


 調べた範囲はウェブ界隈止まりではありますが、小説ジャンルとしての言葉「ファンタジー」は、伝承文学――桃太郎などの伝説や昔話などですね――内の空想物語との区分けとして近代、児童文学の辺りから定義付けというか、使用が始まったよう。


 ということは、「本格ファンタジー」とするならば「児童文学の形式に従って書かれた、伝承文学ではなく、現実にはあり得ない想像の物語」が、そう名乗ってしかるべきなのでは? と私は考えました。


 だとするならばですよ。

 まず児童文学の形式、ということはどの年齢層をターゲットにするかにもよるでしょうけれど。

 ……児童の範囲を定義しておかないとですね。

 基準をとりあえず学校教育法、又はコトバンクのブリタニカ国際大百科事典より、おおむね六歳〜十二歳としましょう。

 上記年齢層に小説を届ける際、とりあえず必要な要素として、以下三点くらいは最低限必要かなと思いましたので記載します。


 一、ルビ振り必須

 二、文章は読み易く破綻がないようにする(教育的側面も担うだろうことから、最低限の文法は要るだろうとの推測です)

 三、読者層をきちんと意識して、その層が読めないと駄目


 そこから導き出した結論として。


 「おおむね六歳から十二歳が読むことを前提として書かれた、その年齢に即した文章(ルビ有り)になっていて、伝承文学ではなく、あり得ない想像の入っているお話」


 が、本格ファンタジー名乗って良い!

 ということになりました。


 なりました、と言ってもこれはまだ私の中だけのことなので、誰か広めてください。


 という冗談のような本気のようなおちゃらけのようなラノベの単語の成り立ちがちょびっとだけ羨まな感情は横に置いといて。


 本作での定義は固まりました。


 これで行くと、書籍以外ほぼほぼウェブには落っこちてません、本格ファンタジー。

 本格ファンタジーの卵はたくさんたくさん落ちていると思いますよ! 勿論。




 そうそう、余談ですが国産が無いに関して言えば、児童文学生まれ文庫ファンタジー育ちの私としては、ユルン・サーガとか、十二国記とか、国産ファンタジーって言いたいし国産は、ありまぁす!

 とか言うともしかして存在しないネットミームとかになってやしないだろうか。

 読んだことないけど、アルスラーン戦記(読んでないです。荒川先生が漫画版書いてらしてさすが俺らの荒川先生はすげぇや! とはなった鋼錬ファン。百姓貴族良いよね!!)メディアミックスされたし、魔女宅とか知名度で言えば世界的なんじゃないかなぁ。


 言葉はとみにウェブ界隈では伝播が早く、市民権を得て使用範囲がべらぼうに広義になりやすいし、増えればふんわりとでも定着するみたいなので。

 精査された先に生き残る、もしくは定義づけられる――もしくはそもそも生まれない、までありますが――ことがあれば、その様子をリアルタイムというか、死ぬまでには見てみたい気もしています。


 厨二病、も似たようなものですが、ライトノベルもその言葉自体の成り立ちはとてもシンプルで、時を作れるウェブっていいなぁと思った次第。

 だって、ファンが集まったウェブ上の会話で決めたようなのです。

 これって実は地味にすごいこと。

 ウェブならではです。


 因みにライトノベルを成り立ちを考慮し簡潔に言ってしまえば「ソノラマやコバルト文庫に見る、児童文学と一般文芸の間のおおよそ十三歳〜十九歳向けのお話」かな、と。


 そして全ての話の前提は、出版社からの書籍化済みに限る。

 なぜなら広く一般まで広げることのできる可能性は、やっぱり商業のが一枚上手だから。

 アマチュアでツテや広告を打てない一ウェブ作者である以上、「ライトノベル方向のウェブ小説」とか、「一般文芸を目指すウェブ小説」なのではと思うんですよ、ね。

 言葉や定義は広く周知がされ使われてこそ、という側面があると思っていて。

 なら結局のところ、売り出しの際に方向性が決まらない限り、もしくはウェブ小説でも固定のファンに作品の内容を言語化してもらいそれが広く当たり前にならない限り、定義はフワッとしたままなのです。


 それで言うとなろう系は「小説家になろうのタグから生まれた大人気要素のこと、又その要素を持った小説群」として、大きい区分というより小説の中の作りというところに落とし込めるのではないかな、とか。

 言葉を形作る? ことの条件として、一般に広く浸透したかという観点があるようで、その点から見れば局地的な流行語だろう……というのが私の雑感。

 勿論、今使っている人もたくさんいるので、今後研究され定義づけされたり定着していく未来もあります。


 え、言葉が固定化なんてするの?

 と思ったでしょう。

 爆笑、実は近年誤用の方が広く当たり前に使われ、テレビだか新聞だか? まぁ何かの媒体でも一般的に使われるようになって、辞書採用になったのです。

 ファンタジーも日本に誕生して幾年月。

 進化し多様に意味を内包していてもなんらおかしくないな、と思う私です。




 という小話を挟みましたが、いかがだったでしょうか。

 小説区分は出版社かどこぞの権威が線引きしてもいいとは思いますけど、パンピーがやるのはどうなのっていうね。

 ライトノベル命名みたいに知識人が集まって集合知的に定義づけされるならありだけれど。

 一方的なのって違うよねって思います。


 以上、本格も王道も正統派もキラキラもなろう系もテンプレも古代転生も冒険ロマンスも全部好きにファンタジーにくっ付ければ、ありまぁす! てなる謳い文句的結論、でした。

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