第15話

フータオすり抜けて萎えました。課金しよ。


◇◇◇◇


「さっきから奥に行くにつれて本能が行くなって警告してくるんだけどっ!?」


「それは白雪の殺気だ。常人はあてられただけで気を失うからな。ルナさんもなかなかの胆力を持っているということだろう」


”常人があてられると気絶する()”

”人間が放っていい殺気じゃなくて草”

”でもそれだけ白雪ちゃんとの距離が近いってこと?”

”それはそうかも”

”ポジティブにいこう”


「いんや?多分3kmくらいは離れてるな、下から来てると思うから恐らく5、6階は下じゃないか?」


「え...」


ルナの目から少しずつ光が消えていく。


”オワタ”

”終わったな”

”おつかれ”

”完膚なきまでに終わったな”

”もうダメだぁ”

”RIP”

”あぁ...!目から光が...!”

”希望失ってて草”


「終わったな、私...」



◇◇◇◇


それからおよそ50分後、六花たちは雪乃がいるとあ思われる階層の1つ上まで降りていた。ルナは歩くことが厳しいほどになっていたが、六花は当然のように飄々とした顔で歩いていた。


「う...ちょっと...やす...ませて...」


「白雪ともうすぐ合流できる、もう少しの辛抱だ」


「今会っても死ぬ...!だけっだから!...5分でいいから休ませてぇ~」


「早く行くぞ~」


でいいからぁ...!」



「ダメ...だよ?」



「......ひっ........」


いつの間にか目の前に、雪乃溢れ出る殺意の本体がいた。


「ダメに決まってるでしょ?おにぃの肩に触るなんて...まぁ、触れていい部分があるわけでもないけどね?」


「ごっ...ごめ...!」


「謝ればいいって...ものじゃないよね?...なに?謝ったら盗んでも許されるのかな?かな?」


「それはっ...許され...ないけどっ」


「ルナちゃんがしたのってそれと同じことだよね?...私のたーいせつなおにぃを私から盗ろうとした...これって―――――


雪乃がルナの眼前まで迫ると、狐の面の奥から先ほどとは比べ物にならないほどの殺意が零れる。面のせいで表情が見えないため、それがさらにルナの恐怖心を煽る。


――――窃盗未遂...だよね?...窃盗罪ならとっくのとうに現世からバイバイしてるもんね?.......未遂だよね?ね?」


「はいっ!未遂ですっ!どうかっ命だけは...命だけはぁ...」


「悪い子にはお仕置きが必要だよね?ね?ねぇ!!」


「すいませぇぇぇぇんっ!!ゆるじてぇぇぇぇぇ!!!!」


恥も外聞もない綺麗な土下座に対して雪乃は.....




「そんな美味しい話があると思ったか?お前のような人間にっ!」




許すわけがなかった。


”マジで終わったな”

”ここからルナちゃんが生き残るルートがあるのか?”

”殺意の波動に目覚めた白雪”

”勝てるわけがないよ...”

”え?マジで終わり?”

”なにか流れを...流れを決定的に変える”何か”があるはずだ!”

”まさかあるのか!?そんなものが...!”


「おいおい、白雪...兄ちゃんのために怒ってくれるのは嬉しいが...それで俺が放置されると、俺が寂しくなっちゃうぜ?折角白雪のためにここまで降りてきたのに...」


「おっおにぃごめんねっ!?ついこの女狐が許せなくて―――イタッ!?」


コンッ...と、六花は雪乃の脳天を手刀で叩いた。


「そんな言葉どこで覚えた?」


「...へ?」


「”女狐”なんて言葉どこで覚えたんだと聞いているんだ」


六花から先ほどの雪乃の数十倍の殺意が湧き上がる。六花のあまりの殺意によりダンジョンの壁が激しく揺れる。もうこの時点でルナは六花の殺意にトドメを刺され気絶している。


「あっえ...えとっ...それはぁ...」


”流れ変わったな”

”流れ変わったな”

”完全に変わったわ”

”そういえば頼れるお兄ちゃんがいたわ”

”シスコンだから自然と選択から外れていた...”

”まさかの言葉遣いに厳しいタイプのお兄ちゃん”

”まぁプライベートならまだしも配信中に女狐なんて言っちゃうのはダメだと思ったんだろうなぁ”

”普通に悪口だしな”

”これはシスコンの鑑”

”愛するだけがシスコンじゃないんだね...”


「(おにぃがそこらへん言葉遣い厳しいの忘れてたぁ~)」


「ほら、白雪。今ならまだ許してやる。誰に教えられたのかとルナさんへの謝罪さえすれば許してやるから―――――


六花は雪乃の耳元で囁く。


――――誰にそんな言葉を教えられた?」


「く...クラスの女子が彼氏盗られたときに相手の女に対して言ってて...気になって調べちゃいましたぁ...」


「ほぉ~そうかそうか、学校でのことはあまり俺も管理したくないし、素直に言ったから今回は許そう。次はほら、ルナさんに謝りなさい」


「やだ」


「1ヶ月お菓子禁止な」


「やぁぁぁぁ!?謝るから~!それだけは!!」


”お兄ちゃん強すぎて草”

”強い(確信)”

”クラスの女子速攻で売られてて草”

”白雪ちゃんの学校の恋愛事情激しくて草”

”高1のクラスで彼氏奪われたりすんの凄まじすぎだろ”

”1ヶ月お菓子禁止>ルナちゃんへの謝罪”

”お菓子の価値が高すぎる”

”お菓子(愛しのおにぃ手作り)”

”そりゃあお菓子選びますわ”


「くぅっ......ルナちゃん女狐なんて言ってごめんね...」


「..........」


「あれ?ルナちゃん?」


雪乃が軽くルナの肩を揺さぶるが、返事がない。


「し、死んでる...!?」


「そんな...いったい誰が!?」


「「いやいや絶対白雪(おにぃ)だって~」」


”お兄ちゃんあなたです”

”お兄ちゃんが殺気を出した瞬間に気絶してました”

”玲瓏、ギルティ”

”お前がやったのだ!お前の責任だ!”

”可哀そうに...可哀そうなルナちゃん、視聴者は思った”




「え?俺?」


 



六花は本気で、自分のせいだとは思っていなかった。



◇◇◇◇

雪乃ちゃん特攻は当然お兄ちゃんが持ってると。


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