国語のノート

 クラスに着いたら、席に座ってノートを写している者、多数。


 国語のノート提出か。忘れていた。


 国語のセンセーは板書をしない。口頭の説明でノートを作れという。そりゃ、無理だろ。


 ほとんど書けてなかったり、中途半端な者は、完成ノートを借りて写すことになる。


 私は中途半端だ。

 出遅れたあたしに、完成ノートを貸してくれるものはいない。


 クラスにいないなら、他クラスに借りに行くしかない。奴のクラスは午後のはず、奴から借りよう。真面目だから完成ノートまでいかなくても、あたしのよりはマシだ。


 奴のところに行って事情を話すと、まだノートは手元にあり、貸してくれた。


 去年オナクラだった女がこちらを見て、えーーって顔をしている。


 完成ノートがないんだよ、ノート借りて、なんで驚く?


 あとで知ったのだが、交換日記をしていると勘違いしたという。ちょうどその日の朝、他クラス女子がある男に交換日記を渡すところを見たので、ツナも、と思ってしまったらしい。

 

 ふつうのノートでしないでしょと、その女に言ったら、ツナなら、ふつうのノートを絶対使うと思う、と力説された。


 いや、かわいいノートを使うよ、それ以前の問題として、絶対交換日記なんてしない、と言ったら、大笑いされた。


 いやいや、笑い過ぎでしょ。

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