ツナの後悔 その後
奴とはいつも、校門前で待ち合わせだ。
着替えて校門に行くと、ちゃんと奴がいる。男は着替えが早い。
あたしが引っ越ししてるの、ちゃんと覚えてたのか。それでオーケー出したのか。ずいぶん人がいいな。
商店街を通って、駅に向かう。いつもの通り慣れた道だ。
親と歩いた。
ミチたちと歩いた。
一人でも歩いた。
こいつと歩くのは初めてだ。店がたくさんあって落ち着かない通りだと、今、気がついた。
帰りは駅の本屋で本を買うらしい。どうせ漫画だろう。いや、こいつは真面目だから、小説か?
道々はいつも通りの雑談をした。ともだちのこと、授業のこと、センセーのこと。おもしろい話や愚痴だ。
引っ越した新しい家を見るのは初めてだろう。普通の家だよ。
引っ越す前と同じように、また、じゃあね、で別れた。
奴、送らずにまっすぐ家に帰ったら、一時間半、早く帰れたはずだ。さすがに、悪いことをした。
今日は、ぜっったい、早く寝ようと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます