晩年

夢水 四季

第1話

 今日は私のことを語ろうと思う。

 愚かで怠惰な私自身のことを。


 私が物語を書き始めたのは小学生の頃だった。あの頃は漫画を描いていて、漫画家になりたいと思っていた。しかし、将来の夢は親から言われた薬剤師にした。クラスでも大して面白くもない私が漫画家とか冗談でも笑えないからだ。だから堅実に、親のアドバイス通りに薬剤師と書いた。

 中学生の頃、自分は漫画家に向いていないと悟った。自分よりも絵が上手い者は何人もいる。勝てるはずがないと、勝手に諦めたのだ。そこで、私の夢は小説家にシフトチェンジする。中学三年の頃だった。作文の課題で、私はクラスで一番に書き上げた。しかし目立つことが嫌いな私は先生の所に、すぐに持って行かなかった。それに気付いた先生は「何で、すぐに来ないんだ」と言った。私は恥ずかしかったけれど、「ああ、自分は文章を早く書き上げてもいいんだ。もしやクラスで一番、文章が上手かったりして」などと自惚れた。他にも、好きな作品の二次創作を書いたり、アニメ雑誌に投稿し始めた。その投稿が何回か誌面に載ったのと恩師の言葉のお陰で、文章なら勝負できるのではないかと思った。

 高校の頃、私は文芸部に所属していた。ここで初めてオリジナルキャラで小説を書くことになる。ここで生まれたのが「白鳥さん」シリーズだ。彼らと出会ってから、もう十年にもなる。最近は新作を執筆中なのだが、高校の時と比べ、筆が乗らない。また橘宇宙が語り部の「しずかとしょかん」も、この頃の作だ。白鳥をチラッと登場させてみたり、クロスオーバー的展開もここから始まっている。二年目は「白鳥さん」シリーズを二作、そして「あの空に捧げる回想録」を書いた。この頃、文芸部部長に任じられ、締め切りの催促や、冊子作成の指揮を取ったりした。三年目「先輩と俺」執筆。これも大幅加筆をしてカクヨムに連載中。

 大学生になり、私は何を思ったかダンスサークルに所属した。何てことはない、可愛い先輩からの勧誘を断れなったのだ。体力もセンスもない私には辛かったが、皆との日々は楽しかった。二年目、自分が先輩となり、最初の頃は何とかやれていたが、途中で一派一杯になってしまい、退部。今でも後悔している。あの時辞めなければ良かったと、ずっと後悔している。

 社会人となり、私はドラッグストアの社員になった。ここでの日々は濃密でネタの宝庫であるが、あえて割愛する。店長職まで行ったが、そのブラックさに耐えかね退職。

 その後、書店や派遣バイトを転々とし、半ばニートみたいになっている。

 家で寝ている姿は怠惰、怠惰、怠惰。

 そろそろ起きる時間だろう。

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晩年 夢水 四季 @shiki-yumemizu

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