第2話 入院生活①

病院は暇だろうからと、

漫画を買い込んで入院生活がスタート


小児科の入院スペースは眼科と耳鼻科の入院スペースと共有になっており、

子供ばかりというわけではない。


鬱々とした雰囲気にならないように、

壁にはかわいいキャラクターの絵や装飾が随所に散りばめられていた。


そしてありがたいことにこの病院には「院内学級」というものがあった。


お母さんが入院手続きをしている間に、院内学級の案内をするから待っててねと看護師さんに言われ、ドキドキしながらベッドの上で迎えを待つ。

ジャッと勢いよくカーテンが引かれ、

女性がにっと歯を出して笑いながらこちらを見た。


「こんにちは!今日から担任になる長谷川です!よろしくね」


先生と院内学級まで手を繋いで歩き、ひと目で見渡せるほどの小さい教室を案内してくれた。

院内学級に通う生徒は私一人。

一応この学校に転校ということになる。


新しい生活が始まるんだ―――


理解した途端、急に胸が高鳴り始める。

不安、不安、不安、少しのワクワク。

これから私はどうなるのだろう。


先生の手をぎゅっと強く握った。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る