第6話  知らない天井とギャル

「知らない天井だ……」


 ……頭痛がする。

 頭痛が痛い。

 

 頭がぼーっとする。

 それに加えて、ずきずきとした痛みもとめどなく襲いかかってくる。


 普通に体調が悪い。

 喉はからからに乾き、水を欲している。

 汗もけっこうかいた


 というか、一体俺はどこにねてるの?

 下を見れば、身体に毛布はかかってるみたいだけど。


 …………しらない部屋だ。

 それになんかいい匂いもする。


 あ、でもちゃんとバスローブらしきものはきている。風呂には入ったのかな?


 「はい、水」


 「あ、ども」


 後ろから水が差しだされる。


 ごくごくと、乾いた喉に水分が染み渡る。

 うっめぇぇぇぇ。


 マジでいいよな、いろはぷ。

 最近デザインが変わってより洗練されたデザインになってより飲みたくなる水になった。


 まじでおしゃれすぎる。

 水を半分ほど一気に飲んでしまった。

 さて、昨日は……。


 え?何してたんだっけ?


 「スマホはいずこに……」


 眼に届く範囲で辺りをさがしてもぱっと見、見当たらない。


 「ほいこれでしょー?」


 また後ろからスマホを渡される。


 「あ、ども」

 

 「いえいえ~」


 さて水も飲んで、頭も少し回るようになってきた。


スマホを見れば不在着信と未読のメッセージ。

 ……あ〜空とゲームして離席したままだったっけ。


 とりあえず。



ao:知らない天井だ。



 とだけ送っておく。

 後で菓子折りでももっていこう。


 というか頭が痛い。頭痛が痛い。

 日頃、仮病の類もしない俺からしたら余りにもきつい。

 こーれたぶんあれです。

 二日酔いってやつだ。


 なんでわかるかって……だって目の前にめちゃくちゃ酒の空き瓶転がってるんだもん。

 そりゃ気づくよねえ。


 「……え? これ全部俺一人で飲んだの? え? 俺酒豪になった? え? え?」


 ってか俺のんでいい年齢だったけ。

 あれ?……まぁいっか。

 

 あー二日酔いえっぐい。

 近所のおっちゃんに甘酒飲まされて酔っぱらった以来の二日酔いだ。


 でも今回はもうその比にならないレベルのやらかしなんだが?

 記憶ないんだが?


 「俺本当に一人でなんでこんな飲んだの?なんか嫌なことあったっけ?……昨日は確か……あいつとゲームしててぇ……それでコンビニ行って………そうだ!お隣の猫ギャルにダル絡みされたんだ!」


 「ダル絡み? それってどんな~?」


 上から金髪のギャルが顔を反対にしてのぞかせてくる。


 「うわっ!」


 「もうっ!さっきからずっと水とかスマホとか、亭主関白の旦那みたいに言われて、貞淑な妻よろしく、せっせと渡しているのにさ? ぜーんぜん気づいてくれないんだもん。お姉さんショックだなぁ昨日はあんなにもあつい夜を過ごしたっていうのにね?」


 え?

 だれこのすっぴんギャルは……。


 え?

 

 「………………え?」


 まじででなんにも覚えていないぞ?

 ……とおうかちょっと待ってあつい夜を過ごしたの?!

 この布団の中で熱い夜を!?


 外は寒いけど私たちはの仲はアツアツ…………みたいな!?


 ……昨日のあれからどうしてそうなった?押し相撲とあっち向いてホイしただけじゃね?


 ちょ、ちょマジで思い出せ俺の大脳皮質ぅぅぅぅ!!


 「惜しい!昨日とかの短期記憶は海馬です!脳の海馬!古い記憶が大脳皮質ね?」


 こ、この感じ。この無駄に頭いい感じ。

 小馬鹿にしながらも……問題の正解を教えてくれるこの感じ。


「お隣のギャル様か!」


「何お隣のギャル様って。まああなたとお隣さんってのはあってるね!そして一夜を共にした仲でも、あると追記しておいて!」


 何その追記。

 そこの箇所だけ俺知らない。

 知りたくない。


 ………… ……………うそちょっと知りたい。


 てかなんで身体を布団にくるましてんの?

 同じベッドで寝てるの?


「あーそういう感じかぁ。いるよねぇ女性に今どんな感じ?っていわせたいタイプの男の人〜」


 まぁ聞いた事あるだけだけどさ〜、と小声で呟いたのを俺は見逃してないからね?


 でも説明してくれるならありがたい。

 正直なんにも思い出せないから、一考の余地にはなるんじゃないかな。

 

「しょうがないな〜、昨日君と帰り際に会ったから、飲もうよーって誘ったら君が気軽にOKしてくれたから、一緒にコンビニでお酒買って、君が間違えて私のお酒も飲んだじゃったからしょうがなく、ホテルに入って飲み直して、熱い夜を過ごした、そんな感じ、あ、吸ってもいい?」


「あ、どぞ」


 あんがとーって言って電子タバコを吹かす。

 うわーやっぱ綺麗な人がやると似合うなぁ。

 

 ……ちょっと待て。

 結局どんな感じ!?

 よくない。ぜんぜんよくないぞ。あと多分俺は気軽にOKしてない。超無理やり行かされたんだけど……

 そんな改竄はどうでも良くて、俺その熱い夜について詳しく知りたいんだけど!?

 これ下手しなくても、俺の貞操問題にも発展するんだぞ?


「あ、ついでに私の彼氏役も快諾してくれたと!」


 ……ほんとにちょっと待て?

 何してるんだ俺は!

 彼氏役とか云々以前に俺彼女いたこと1回しかないんだけどぉォ?!色々あって普通とは違ったし!

 なんかすごい情報が大渋滞しているんだけども!


「え、何その彼氏役って!」


「え? そのまんまだよ?」


 全然事情がわからなねぇぇぇ!!

 この人言葉が足りなすぎる!!

 フィーリングで生きてるよきっと!!


「……これからまぁまぁ長い付き合いになると思うんだけどよろしく?」


 あざとく、布団を少しめくり、彼女は胸の谷間を見せつけてきた。

 おれも思わず目が惹き付けられた。


「えっち……」

 

 …………ま、まぁ彼氏役やってもいいかなって。

 …………決して胸につられたわけではないけどね。

 

 ほんとに。

 まじで。


 絶対に。


 うん、しゅごーい。



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 お疲れ様です!

 お読みいただきありがとうございます!もし良ければ、下の☆ボタンで評価していただけたら幸いです。

 忘れちゃってる方もいるかもしれないので一応。


 あと沢山のフォローと応援ありがとうございます。


 まぁ基本この話は頭空っぽにして会話とか楽しんで貰えたら何よりです。なにかわかりづらいところとかあったらお気軽にコメントしてください。

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ではでは三連休最後の良い一日を!

 

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