第40話

「それにしても、優斗様の家具を作っているのがあの名工源さまとは、驚きです。あの方は方は気難しい方だと有名な方なのに気さくに話せるなんて、優斗様は本当にすごい方ですね」やっぱり源じーさんは凄い人何だなとここでも思い知らされる。


「ちなみにどんな家具を頼まれたんですか?源様の作る家具でしたら一つ持つだけでも周りから尊敬の目を向けられると思いますが。」一式です、俺は震えながらわずかに聞こえる声で答えた。


「いっ一式ですか?そっそれは凄いですね。源様による家具や小物を数点持っている方は知っていますが、そんな凄い方達でも、家具一式は持っていないはずです。

 それを今源様はす優斗様専用の家具を一式作っておられるのですか?一体いくらするのか見当がつきません。咲希様支払いは大丈夫なんですか?いくら優斗様が、大事な人とはいえ」美幸さんが不安そうな目で咲希を尋ねる。


「お値段に関しては大丈夫ですよ。御兄様のお祖母様が源様の知り合いで香典代わりではないですが、昔世話になったお礼に家具一式無料で作ってくださるそうです。

 ちなみに私も、御兄様と今後も仲良くするを条件に小物入れを一つ頂ける話になっております」


「源様の作品を無料で!!本来なら一つ数百万するようなものをセットではなく一式作ってもらえる時点でおかしいのに、それが無料なんて異常ですよ。   

 優斗様は源様の、弱みでも握っていらっしゃるのではないですか?まったく優斗様がこんな凄い方だなんて」

 いやいや別に俺は、すごくもなんともないから普通にしてほしいな。そう考えていると雪ちゃんも俺をキラキラした目で見つめてくる。


「さすが優斗お兄ちゃんです。今以上に惚れてしまいます。どうして..こんなに素敵なんですか?咲希ちゃんが羨ましすぎます。私にもこんなお兄ちゃんが、ほしかったです。

 私に、いるのはいつも口うるさいお姉ちゃんだけなのに。」


「はい、その雪ちゃんのお姉ちゃんの夏希様なんですが、御兄様は今の夏休みが明け次第夏希様が生徒会長を努めている学園に編入してもらいます。ちなみにこの学園はエスカレータ式で私と雪ちゃんも初等部に通っています。正確には飛び級しているので授業は免除されていますが。」いきなりの発言に戸惑いが隠せない。あ〜俺転校するのか。いきなり過ぎてもうどう反応したらいいかわからないな。


「大丈夫ですよ御兄様、通学には私も同行しますし、クラスには雪ちゃんのお姉ちゃん夏希さんが一緒になるようにしますので不安になることはありません。」

 

夏希さんか、雪ちゃんのお姉さんで俺と同い年か、咲希の反応を見ると信用できる人みたいだな。生徒会長もやってるし。


 まー正直編入しようがしまいが咲希に頼るしかないのが現状だしな。御兄様の成績でも今の時点なら授業にはついていけるので安心してください。ただ一つ問題はありますが。


咲希から、問題ある発言ってよっぽどやばいことじゃないのか?またまたトラブルに巻きこまれるのは、勘弁したいんだが。


「これらの問題は正直、御兄様というより私と雪ちゃんの方にありまして、実は」咲希の話をまとめると学園には咲希と、雪ちゃんのファンクラブならぬ親衛隊みたいなものがあり、その人達が御兄様に良からぬことをする可能性があるというのだ。


「学園の中の話だろ?問題が起きれば先生たちが来るんじゃないのか?」


「普通の学園ならそうですね、ですが我が学園のモットーは、生徒の自主性というのがあり、親衛隊程度の揉め事じゃ動かないと思います。」


「ですが安心してください御兄様、このことに関しては、雪ちゃんと協力して御兄様には、指一本触れさせませんから」咲希もこう言ってることだし、心配のしすぎは咲希を信用してないと同じだよな。


「わかった 俺は咲希を信じるからなにか会った時は、頼むな」


「優斗お兄ちゃん私も頑張るから信じてくれる?」

腕にしがみつきながら上目使いで俺を見てくる雪ちゃんにも信じてると伝えながら頭を撫でて上げる。


「これで、今日の要件は終了です。美幸さん来てくださりありがとうございます。そこの犬みたいにじゃれつく雪をつれてってももう大丈夫ですよ」咲希にも、雪ちゃんは犬みたいに見えるみたいだな。


咲希ちゃん、帰るのはまだ許して、優斗お兄ちゃんに会えるとわかってたから用意してきた物があるの、ほらこれというと美幸さんがどこからかアルバムを出してきた。私と咲希ちゃんをメインにした小金井家特製アルバムだよ。これで、私と咲希ちゃんのことを優斗お兄ちゃんに知ってもらえたらなと思って。


これは、俺自身凄い興味あるな。実際咲希ちゃんや雪ちゃんのことなんて分かってないとこの方が多いからアルバムで二人のことを知れたら嬉しいな。

 そんな俺の考えていることがわかったのか咲希は諦めたのかため息をついて

「なら私もアルバムを持ってきますので一緒に見ましょう。私だって御兄様に色々知ってもらいたいですから」


「ありがとう咲希ちゃんだから大好き」咲希は大好きの言葉が恥ずかしかったのか逃げるかのようにアルバムを取りに向かっていった。


アルバムを持ってきてソファーに座ったかと思いきや咲希の持っているスマホに連絡が有り出ると、だんだんと咲希の顔が険しくなったかと思うと、笑顔になるがその笑顔になぞか恐怖を感じた。俺は、この恐怖の感覚をしっている。なぜなら昨日直に感じたからだ。雪ちゃんに関しては、あわあわとしはじめて腰が抜けて立てなくなっていた。


通話が終わり恐る恐る確認すると、 父許すマジ父許すマジと焦点の合わない目で呟いていた。


「は〜仕方ありませんね、今日は雪ちゃんに譲ってあげるとしましょう。美幸さん申し訳ありません。私は当主の命により今からサポートに行きますので、どうかゆっくりしていってください。そして、出来ましたら御兄様に晩御飯を作ってあげてほしいです。

 御兄様はまだ料理は危なかっしいので。雪ちゃん今日は、御兄様をゆずりますが次からはもう無いですからね。アルバムで色々教えてあげてください。


御兄様も雪ちゃんに夢中にならないで御兄様の知らない私と雪ちゃんをちゃんと教えてもらってくださいね。」咲希は、テキパキ動きすぐさま仕事にむかっていった。


「こうなったら仕方ないし、雪ちゃんに色々教えてもらおうかな。ほらっ隣に来て教えてよ」


「任せてぐださい、咲希ちゃんの分も私が教えてみせますから。ぬふー」メッチャ張り切ってるな。


「美幸さんごめんなさい、美幸さん特製のお茶お代わりできますか?あれ本当に美味しくてハマりそうです」


「優斗様が気に入ってくださってよかったです。少しだけお待ち下さいね、すぐ入れてきますから」


「さっ優斗お兄ちゃん、咲希ちゃんと私の出会いから始めていくよ。しっかりついてきてね。」そんなふうに張り切ってる雪ちゃんがいたけどどうしたもんか?


「お茶お待たせしました。あらあら雪ちゃん寝ちゃいましたか。さすがに限界だったんですね。昨日咲希様から連絡を、いただいて優斗様に会えるのが楽しみで服や髪型など遅くまで考えていたんです。それからも興奮してしまって寝れなかったのか今日は、かなり寝不足だったんです。でもこれである意味願いは叶いましたね。優斗様に寄り添ってこんなに気持ちよさそうに寝てしまって、優斗様申し訳ありません雪ちゃんをどうかもう少しこのまま寝かせてあげてください」無邪気な顔でぐっすり寝ている。俺なんかに会うのが楽しみだったなんてやっぱり変わってるよ。でもその気持ちは嬉しいからそのご褒美にゆっくりお休み雪ちゃん

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