第6話 僕らの勉強会

学校生活では楽しいことだけでなく勉学にも励まなくてはならない。

凪たちが通う高校はもうすぐです定期試験が迫っていた。

あかりは勉強はそこそこできるのだが、何故かちょっとだけプライドがあり人に聞くのを嫌っていた。


そんな感じであかりは中学は過ごしていたため、高校になって本当にわからない時にどうすればいいかかがわからずテストが危うい状態になっていた

(ここの問題全然わかなんない、答え見てもさっぱりだしどうすれば)


朝、一人図書室で勉強していると

ガラガラと

あまり人が来ない図書室に人が入ってきた。


「あれっあかり?」


「おっ!森山!」


振り返ると凪先輩と陸先輩が立っていた。


「先輩方も勉強ですか?」


「そ〜だよ、陸が勉強教えろ〜って言ってきて。うるさい場所だと気が散るらしいから静かな図書館に来たわけだ」


「あっ森山もいたことだしここは二人で勉強会でもしたらどうすかね〜

じゃあ邪魔者は出ていき、、」


陸先輩が言葉を言い終わる前に凪先輩が肩を掴んで


「お前が頼んだんだろ、逃すわけないぞ」


ひえ〜と言いながらもちゃんと席に座る陸先輩だった。


「あの、凪先輩、私も少し教えてもらっていいですか」


「ああ、いいぞ。どこがわからないんだ?」


「この数学数学の問題なんですけど、」


「あ〜、このパターンね、ここの数式まで出せてたらあとはここの数値を代入して

さっきのように計算すれば答えが出るよ」


「あ〜!なるほど!ありがとうございます先輩」


「凪〜わかんない」


「どこがだ」


「彼女の作り方」


「やっぱり一人でやるか」


凪先輩が陸先輩の頬を引っ張ってそう言った。


「わかった、わかった痛いからやめろ〜!」


「で、どこがわかんないの?」


「理科のここ、大門2」


陸先輩が指を刺したところをすぐに自分でも解いて


凪先輩はテキパキと教えていく

見てて、言うのは悪いけど先生よりわかりやすく説明してるな〜

と思ってしまうほどだった。


「なるほどな、ありがとう」


「わからないところがあれば言えよ、去年みたいに補修が入りたくなかったらな」


「はい」


陸先輩は肩を落としながら問題を解いていった。


「先輩って頭いいんですか」


「いや、普通くらいだと思うぞ」


「そんなわけあるか」


陸先輩がすぐに否定した。


「こいつ毎回張り出される順位で毎回のってんだぞ、

しかも一回もなり出されないかったことはないんだぞ一年の時から!」


うちの学校は成績が良い人は張り出されているが、

私が張り出されることは一回もない。


「へ〜すごいんですね」


「だろ、凪はいつもあんな、だけど意外にもなんでもできるやつだぜ」


私が陸先輩と雑談をしていると凪先輩がその真ん中の席に座り


「二人とも勉強に戻ろうか」と教師が注意するように言った。


凪に言われて二人はまた問題に手をつけていった。

こうして朝休みと昼休みを同じように過ごし、陸も俺も疲れて机に突っ伏していた。


「なあ、凪、休み時間なのに休めてねえじゃん、、」


「仕方ないだろ、陸、放っておくと普通に赤点取ってそうだし」


二人とも勉強は好きではないので疲れていたが、あかりは黙々と続けていた。

僕らがこう、口を吐いてるのにそれにも気づかないような

ゾーンに入ってるような感じだった。

(流石なだな〜)陸と二人で感心してるとあかりが腕を伸ばして体を伸ばしていた。


「終わった〜」


「お疲れ様」


「お疲れ様です、結構一人でするより進めることができましたよ」


「それならよかった」


「でも、もう少ししたいんですけど、家じゃやる気出ないんですよね」


あかりがちょっとため息を吐き教材をしまい始めた。


「なら、凪の家でしたらどうだ?放課後?」


陸は机で突っ伏したまま言った。


「別に、俺はいいけど?あかりはどうだ?」


あかりは目をこっちに向けて


「先輩がいいなら行きたいです」


「じゃあ決まりだな、陸はどうする」

陸はビクッと体を跳ねてぶんぶんと首を振った。


「わかった、じゃあ僕とあかりでするよ」


こうして、凪の家での勉強会が行われることになった。


放課後、二人は凪の家で黙々と勉強を行なっていた。


二人は根は真面目なので戯れない時は本当に戯れないかった


ただ、凪の部屋にはペンの音と教え合いの声しか聞こえなかった。



しばらく勉強していると、急に玄関に続く扉が開いた。


「凪〜いる?〜姉さんが来てやったよ〜」


二人急に入ってきた凪の姉に驚いた。


「ねっ姉さん!なんでいるのさ!」


「えっ?たまたま近くまで来たから寄っていってやろうって思ったわけ、、」


姉さんは急に話すのをやめ、あかりをじっと見つめる。


「はは〜ん」


姉さんはニヤニヤしながらあかりに近づいて

「ねえ、凪の彼女?」


「そっそうですけど」


「いや〜うちの女嫌いにも彼女ができるなんて!できたなら言ってよ!」

僕の脇腹を肘で小突いて

「ねえ、名前なんて言うの?ライン交換しよ」


あかりは姉のマシンガントークに押されて、オドオドしていた。


「名前は、森山あかりって言います」


「へ〜あかりちゃんか〜」


姉は曲がれるように名前と連絡先を交換していた。


「凪先輩のお姉さんの名前は何て言いますか?」


「私の名前は、江頭 結菜(ゆいな)っていうのよろしく〜」


「よろしくお願いします」


「でも、凪に彼女ができたってことは女子嫌いはなくなったみたいだね」


「いや、まだなくなっない」

姉は驚いて


「えっ!なのに彼女がいると!」


「先輩と一緒にこれから治して行こうって決めたんですよ」


「凪、いい人見つけたね〜お姉ちゃんは安心だよ〜」と言い泣き出してしまった。

その後、悪いがあかりには帰ってもらって姉さんを慰めるのに必死な凪なのであった。


その何日か後にテストが行われ、結果も返ってくると二人はテストで張り出されるほど良い成績が取れていた。

凪にしこたま覚えさせられていた陸も今までよりもいい点数が取れており、

見事赤点を回避していた。






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