22話:急成長

さてこっから反撃開始と行くのはいいが、問題はあいつの魔法をどうするかだ、特に呪怨の氷、あれが近接戦をするにおいて厄介すぎる。


まずそもそも近接で戦う以前に呪怨の氷で近接拒否されちまったらそれを突破するのも難しい、それにもし仮に呪怨の氷を焼けて近づけたとしても近接で攻撃している所を呪怨の氷で凍らされちまったら攻撃を思い切り喰らっちまう…。


だがこのままやってても魔法を防ぎきれない、絶対押し切られて、俺は殺されちまうだろう、ならばもうやるしかない、近接戦で、あいつをぶちのめす。


俺は翼を広げ、奴に接近しようとする。


「オオオオッ!!!」


だが、ウェルグレイグが周りに氷を生成し、近づかれまいと妨害する。


くそが、呪怨の氷で妨害してきやがった、俺と近接戦をするのは不利だと思いやがったか、実際近接戦自体は俺が有利、対して魔法戦は明らかにウェルグレイグが有利、なら当然有利な方で攻めてくるか…!


俺はなんとかして近接戦に持ち込まなきゃなんねぇ、だがこの氷を避けながらウェルグレイグに近づくのは難しい、避けている間にウェルグレイグに魔法を撃たれちまう。


避けながら近づくのが難しいなら方法は一つ、それは呪怨の氷を壊しながら進むことだ、氷が伸びてこようが壊して突き進めばいい。


俺はそう決めた瞬間、腕にオーラを纏わせ、飛んでいるウェルグレイグへと近づく、正面にある氷を殴って壊し、飛んでくる魔法を避け、伸びてくる氷はウィングアタックで壊しながら進んでいく。


「オオオオオッ!!」


ウェルグレイグが叫んだ瞬間、黒い槍が生成され、俺の元へと発射される、俺は一旦進むのをやめ、槍を避けることに専念する。


呪怨の槍…この攻撃だけは避けなきゃなんねぇ、威力が高すぎるからな、だが俺が避けるという行動を取る事で結果的に接近拒否されてんのは良くない…やっぱ一気に近づかねえと厳しいか…?


だが、一気に近づくと言っても、んな簡単に出来ねえ、呪怨の氷の警戒を怠ったら捕まりかねない、とはいえ空中に浮かぶ氷を対処していたら一気には近づけない…。


くそ、俺に突進系の技があれば呪怨の氷を壊しながらあいつに一気に近づけるんだが、あいにく俺には突進みてえな技が無い、それが今キツすぎる…どうすっか…。


…いや待てよ、突進系のスキルが無くてもいけるんじゃね?呪怨の氷ウィングアタックで壊せてたよな、つまりわざわざオーラを腕に纏わせてぶっ壊す必要なくね?んで腕に纏ってたオーラを他のところに回せば…うし、やってみるか。


俺は腕に纏うオーラを解除し、翼と頭の部分にオーラを纏わせる、そして俺は身を後ろへと引く。


やったこともねぇ、魔法と違って自分の体も動かすんだ、本当にこんなことが出来んのかという疑問はあるが、成功すりゃ一気に有利になる、だったらやらない理由はねえよなぁ!!


俺は身を後ろに引き、その直後にオーラを纏わせ、薄く広げ擬似的に巨大な翼を作り出し、一気に翼を動かし、推進力を得る、そしてその瞬間、俺は体を回し、ドリルのように回りながらウェルグレイグへと接近する。


やったことはなかったが、予想よりも上手くいき、オーラを纏った翼が呪怨の氷を破壊しながら進んで行く。


「オオオオ!!!!」


ウェルグレイグが焦ったように俺へとブレスを吐く、だが、オーラを纏った翼が炎を弾き、ウェルグレイグへと急接近して行く。


ブレスでは止まらないと察したのか、ウェルグレイグがブレスを止め、オーラを纏う、俺はその勢いのままウェルグレイグの体にぶつかり、ウェルグレイグがよろめく。


【攻撃スキル、スクリューアタックLv1を獲得しました】


さ,流石に目が回るな…だが上手く行った!ウェルグレイグに近づけた上に体勢を崩しやがった!ここが好奇!一気に攻める!!


俺はよろめくウェルグレイグの元へ接近し、首元へ噛み付く、だがウェルグレイグも咄嗟にオーラを展開したのか、手応えが薄い。


俺はすぐさま口を離し、奴をぶん殴ろうとするが、ウェルグレイグが口元に炎を溜めているのが見えた。


ゼロ距離ブレス!?炎耐性があるから確かにローリスクか!この距離じゃ避けるのは間に合わない…だったらこっちもブレスを撃ってやるよ、確かにウェルグレイグは炎耐性があるが、そのレベルは3!そこまで高くない!だったら俺のブレスだって効くはずだ、お前がゼロ距離ブレスをするならこっちもしてやるよ!!


俺も口元へと炎を溜める、ウェルグレイグの口から炎が放たれると同時に、俺も炎を放つ、お互いの炎がぶつかり爆発を起こす。


【炎耐性のLvが1から2へと上がりました】

【ファイヤブレスのLvが5から6へと上がりました】


ブレスの爆発の衝撃で俺とウェルグレイグが吹き飛び、地面へ落ちる、俺は体勢を整えながら地面へと着地し、ウェルグレイグの方を見て、ステータスを確認する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ウェルグレイグ

Lv 41/60

HP 353/523

MP 241/499

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

HPはそこまで削れてないな…だがMPをかなり消費してやがる、そりゃあんだけ魔法撃ってりゃ減るよな、対して俺は…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アルヴェイル

Lv 36/65

HP 216/454

MP 254/476

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

体力はさっきので結構削られちまったか、だがMP消費量は明らかにあっちが上だ、このままいけば先に切れるのはウェルグレイグの方だ、いいぞ、少しずつだが有利になってきてる。


「オオオオオオッ…!!」


ウェルグレイグがこちらを睨む、自分の魔法を何回も突破されたのが頭に来ているようだ。


結構怒ってるみたいだな、まあそりゃ、格下に見てた相手にここまでやられるなんて思っても見なかったんだろうな。


あいつは確かにめちゃくちゃ強いが、苦戦したことがことがねえんだろう、格上と戦った経験がおそらくあいつにはほとんどない、生まれた時から強かったからだ。


だからここまで拮抗出来ている、奴が格上との戦いを経験していたなら俺が不利になっていただろうが、生まれながらの強者の性って奴だな。


「オオオオオオオオオ!!!!」


ウェルグレイグが叫びながら俺の方へと走り、近づいてきているのが見える。


あっちから接近戦を仕掛けにきやがった!魔法だけじゃ無理だと考えやがったか、近接戦をするならHPは回復しておくか、今んところ近接戦では俺が勝っているが、何をしてくるかわかんねぇ。


俺はMPを消費しヒーリングでHPを回復させる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アルヴェイル

Lv 36/65

HP 316/454

MP 229/476

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

よし、こんだけありゃ一発は耐えれるな…。


そう考えていると、ウェルグレイグが翼を広げる、翼を広げ、ジャンプし、翼で推進力を得て接近してくる。


俺はオーラを纏ったマナバリアを展開するが、ウェルグレイグも腕にオーラを纏い、マナバリアを殴って壊し、俺へと拳が飛んでくる。


俺は腕にオーラを纏い、腕で防ぐ、オーラを纏っていても威力が高く、腕に痛みが走るが、耐えて、すぐさま反対の腕でウェルグレイグをぶん殴る。


ウェルグレイグが翼で俺の攻撃を防ぎ、もう一つの腕を俺の顎目掛け振り上げる。


俺は咄嗟にウェルグレイグから手を離し、翼にオーラを纏わせ盾のようにする、ウェルグレイグの拳が翼に当たり、翼に痛みが走ると同時に俺の体も吹き飛ぶ。


危ねえ、顎に喰らってたらワンパンKOされるところだった、あいつの攻撃をなんとか防げたが、喰らっててもおかしくなかった、やっぱ気は抜けねえ。


「オオオオオオオオオオオオッ!!!」


ウェルグレイグが叫び、再び俺へと接近してくる。


魔法を撃つのをやめやがった、魔法を捨てて近接オンリーで攻めてくる気か…!落ち着け、冷静に対処しろ、あいつの攻撃は一発一発が致命傷、絶対に喰らうんじゃねえぞ。


俺は精神を整え、ウェルグレイグに備える、ウェルグレイグが腕を振り上げ、地面を叩く、地面が割れ、俺のいた地面までが割れた為、俺はそこから離れる。


なんつう馬鹿力だ!地面を割りやがった!えげつないことしやがるな…!!


そう考えていると、ウェルグレイグが俺の近くへ来ていることに気づく、俺は腕にオーラを纏わせ、爪を振るう、ウェルグレイグは腕でそれを防ぎ、腕を振るう。


俺は最小限の動きで避け、奴の腹を思いっきりぶん殴る、見事にクリーンヒットし、ウェルグレイグが怯むが、ウェルグレイグが回転し、尻尾を振るう、俺の顔に尻尾が炸裂し、俺の体が吹き飛び、木にぶつかる。


くっそしまった!全然使ってこなかったから尻尾のことを忘れちまってた!最悪だ、冷静に対処するとか言っておいて対処できなかった…!かなりダメージ喰らったんじゃねえか…?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アルヴェイル

Lv 36/65

HP 204/454

MP 213/476

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

回復した分の体力が消し飛んだな、ていうかあいつ、近接戦の練度が上がってきてやがる…?最初の方は俺がかなり有利だったが、今じゃ互角になってきてやがる、早めに決着をつけないとこのままじゃ押し負けちまうぞ…!











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投稿がかなり遅くなってしまいすいません、今週の金曜からリアルが少し落ち着くので、金曜から少し投稿のペースを早くしたいなと思っております

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