〜地下迷宮レストラン〜 新メニュー編

〜地下迷宮レストラン〜 新メニュー編


「店長!水が流れないんです!」


洗い場にいた、クルー3人の顔はこわばっている。

流しから水が溢れ、店の床は水浸しになっていた。


「どうしたの?」

店長のマーヤは、倉庫においてあったスパイスの在庫を取りに行き、キッチンに戻ってくると、尋常ではないほどの水が床を覆っていた。


「新メニューのケシの実のレッドポーションの残りカスが流しにつまって、水が流れなくなって。」

立ち尽くすクルー達は、成すすべがない様子。


「わかったわ!水道メンテナンス局の部隊に来てもらいましょう」


店長はすぐさま、部隊に電話を掛けた。しかし、早朝で繋がらなかった。

「そしたら、そうね。すぐ来てくれそうなのは、緊急漏水工事の部隊だわ。」と冷静な店長。


掛けた先は、話中音で繋がらない。

「混んでるみたいね。」


食器を下げて戻ってきたウェトレスのライサは、水浸しのキッチンの床を見て言った。

「ずいぶん、水がたまってますね。トラブルですか?」


「レッドポーションのケシの実が詰まったみたいなの。いま、緊急漏水工事の部隊に電話してるから、待ってね。」

と店長。


「そしたら、わたしが流してもいいですか?」

とウェトレスのライサ。


「え?ライザ、あなたエルフだったわね。」


「わたし、水の精なんです。水と話すことができるので、ケシの実を押すように言ってみます。水って強いんですよ。ほら。」

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