第7話 もう手遅れか…
リビングに向かうと、
…玲奈さんが白鷺さんの前に座ったぞ。俺は玲奈さんの横で良いか。
「お待たせ~」
玲美さんがキッチンから2皿持ってリビングまで運んでくれた。彼女含め4人で食事するので、彼女は1.5往復することになる。
昼食のメニューは…、ホワイトソースがかかったパスタだ。とてもうまそうだな。
「
…おかわりしなくても、俺の分は玲奈さん・白鷺さんより多いんだが? それでも難なく食べ切れるけどさ。
「わたしダイエット中だから須藤君にその分多くよそったけど、大丈夫そう?」
「大丈夫ですよ」
「さすが男の子ね~」
それから間もなく、昼食の時間が始まる…。
「ねぇお母さん」
食事が始まってちょっと経過した時、玲奈さんが尋ねる。
「何?」
「彼氏じゃない男と下着買いに行くのって、アリ? ナシ?」
食事中に何を訊いてるんだ? 玲奈さんは?
「さすがにナシね。その人と服を買いに行ったことはあるの? まずはそれからじゃない?」
「そうだね…。貴弘君、下着の前に服を買いに行こっか♪」
「…げほげほ…げほ」
突然、白鷺さんがむせ出した。
「
娘を気遣う玲美さん。
「うん…。姉さん。アタシの勘違いだったら悪いけど、須藤君と下着を買いに行くつもりだったの?」
「そうだけど?」
「“女慣れ”の範疇超えてない?」
「下着で動じてたら、女に慣れたって言えないよ。貴弘君には立派な男になってほしいからね」
「立派な男じゃなくて、姉さん好みのHな男にさせたいだけでしょ!」
俺も白鷺さんに同意だな。俺の反応を見て楽しんでるように思えるからだ。
「須藤君。さっき姉さんの部屋で何やってたの? 正直に言って!」
言いづらいが、ごまかせる雰囲気ではない…。
「玲奈さんの下着を渡されたから、じっくり観察した」
「男に下着を渡すなんて、普通は考えられない…」
頭を抱える白鷺さん。
「普通に囚われちゃダメだよ、玲那♪」
玲奈さん。煽ってるように聴こえるから、余計な事言わないで欲しい…。
「須藤君。悪いことは言わないから“女慣れ”止めたほうが良いよ!」
白鷺さんは顔見知り程度の俺を心配してくれる。本当に嬉しい事なんだが…。
「いや、止めるつもりはないよ」
「何で?」
「やる事全てに納得してる訳じゃないけど、効果は出てるんだよ。初めて玲奈さんに会った時、すごく緊張して挨拶すらロクに出来なかったんだ」
「……」
「でも玲奈さんにいろんな“女慣れ”をされたことで、対応力というか、前みたいにドギマギしなくなったんだ。これからも続ければもっと成長できると思う」
「もう手遅れか…」
諦めた様子の白鷺さん。
「アタシ嫌だからね。クラスメートが変態行動が原因で逮捕されるの!」
俺だって嫌だよ! 絶対そこまで堕ちないから安心してくれ、白鷺さん。
「玲那。貴弘君を信じてあげて♪」
「姉さんがそれを言う!?」
「…若いって良いわね~」
俺達を微笑むながら見守る玲美さん。
こうして、他愛ないおしゃべりをしながらの昼食は終わった。この後はどうする気なのか、玲奈さんに訊くとしよう…。
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