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その後、何事も無く村へと帰って来れたので俺は少女に
「じゃ、俺は皆んなの所へ帰るから、またな」
と言い帰ろうとすると
「ちょっと待て」
と少女に呼び止められたのでなんだろうと思っていると
「借りを作ったままじゃ、気持ち悪いからな、うちに来い、食事くらい出してやる」
と言ってきたので俺は少し笑顔になると
「勘違いすんなよ、お礼じゃないからな、借りを返すだけだからな」
「分かった、分かった、ご馳走になるよ」
「じゃ、ついてこい」
と言うと少女は歩きだしたので俺はついて行く事にした。
少女について行き、少女の家に着くと外で洗濯物を取り込んでいた人がこちらに気づき
「エーミル、おかえり、って、あらあら、かっこいい男の子連れてどうしたの?もしかしてボーイフレンド?」
「ちげえーよ」
と怒った様な口調で話すと女の人は笑い
「大丈夫よ、そのくらいの歳だとボーイフレンドくらいいてもおかしくないわ、ああ、ごめんなさい、私、エーミルの母クミルと言います、気軽にお母さんと呼んでね」
とどう返せば良いか分からない自己紹介をしてきたので戸惑っていると
「だからちげーよ、あまり変な事を言うなよこいつも戸惑っているだろう」
とエーミルが怒った様な口調で返したので少しだけ、ほっこりしていると
「ごめんなさいね、あまりにも嬉しくて、舞い上がってしまったわ、でお名前は何て言うのかしら」
と今度は普通に聞いてきたので俺は勇者の名前があるけど本来の名前で良いかと思いながら
「セインと言います、よろしくお願いします」
と頭を下げると
「これはこれはご丁寧にやっぱり気軽にお母さんって呼んでね」
と言ってきたので戸惑っていると
「ったくもう家の中に入っているからな、ほら行くぞ」
と言いながらエーミルは俺の背中を押してきたのでそのまま流れに身を任せる。
家の中に入ると
「そういえば、お前セインって言うんだな」
と聞いてきたのでそういえば自己紹介してないなと思い
「そうだよ、じゃ改めて自己紹介するね、俺はセイン、王都から来た勇者だぜっ」
とかっこ良く決めポーズをするとエーミルは笑い
「勇者って御伽話じゃないんだから、いねーだろ」
と言ってきたのでいるんだけどなーと少し落ち込んでると
「そうだな、よし、俺の名前はエーミル、騎士になる予定だぜっ」
と笑いながらカッコ良く決めポーズをしてきたので俺も笑うと何故か2人で笑い合い
「じゃ、リビングに行くか、水しか出せないけど良いか」
「良いよ、あそこまで、長い散歩になるなんて思わなかったからね水はありがたい」
「そうか、じゃ俺に感謝して飲めよな」
とエーミルは言うとリビングに向かったので俺はついて行く事にした。
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