新風を追いかけて：浜田商事の挑戦

第1章：風の予感 / 第5話：老舗ライバル企業との関係

市内の喫茶店で、修一は昔からの友人であり、浜田商事の最大のライバルである「石井物産」の社長、石井光夫と向かい合っていた。二人は若い頃からの商売敵でありながら、深い友情で結ばれていた。

「修一、最近の浜田商事、何か変わったことがある？」光夫がにっこりと笑って質問した。

修一は少し戸惑いながら、息子・真の帰郷と新しいセールス方法について説明した。

光夫は興味津々で聞いていた。「デジタルとは面白いね。でも、私たちのような昔ながらの商売で、本当にうまくいくのか？」

修一は真摯に答えた。「まだ確かなことは言えない。でも、真が信じて取り組んでいる。我々も変わる必要があると感じているんだ。」

光夫はしばらく沈黙した後、深く頷いた。「私も興味がある。もし、うまくいけば石井物産も考えてみよう。ただ、うまくいかなければ大変だぞ。」

「それはわかってる。でも、チャレンジしないと、これからの時代に取り残されてしまう。」修一は堂々と胸を張った。

二人は再び昔話に花を咲かせながら、喫茶店を後にした。

その夜、修一は真の部屋を訪ねた。「真、石井物産も興味を持ってる。でも、うまくいく保証はない。本当にこれで良いのか？」と不安げに尋ねた。

真は父の目を真っ直ぐに見つめ返し、「うまくいくように努力する。信じてほしい。」と答えた。