15-2

「まさか…?」

「エンドレスに入った?」

「初日だよ?」

これまで週の初めにエンドレスに当たることは無かった

というよりは最終日に当たっていたはず

それがなぜこのタイミングで?


「シアが望んだから…とか?」

「まさか」

俺は堪えながらも頬が引きつるのが分かった

何となくそれが正しいとさえ感じたからだ


「…とにかくシャノン、貢献度稼ぐために全体補助」

「うん!」

頷いてすぐにシャノンは動く

それぞれがウルフに対峙しながら話は続く


「シャノン回復薬は大丈夫か?」

流石に今日エンドレスを引くとは思ってなかったから準備なんてしてないかも…

「少し補充はしてきたけど絶対足りない!」

「やっぱりか。ほら」

俺は体力と魔力を3本ずつシャノンに渡す


「へへ…ありがと。それにしても回復薬、中級も上級も高すぎだよー」

「シャノンはいつも初級しか買ってないもんな。それも数本だけ」

「ルークは違うのか?」

「僕は体力も魔力も中級で10本ずつ常備するようにしてる。あとは旅に向けて依頼料が入った時に2本ずつ買ってストックしてるくらいかな」

「ルークいつの間に…私もストックしていかなきゃだね。うん、決めた。ルークの真似して中級を2本ずつ買うことにする」

2人共上級は買わないらしい

回復薬は体力の初級が1,000G、魔力の初級が3,000Gで中級はその10倍、さらに10倍が上級になる

その効力は10倍以上になるから俺は上級しか買わない


「まぁ、回復薬に頼りすぎるのは良くないけどな」

「そういえばシアはあんまり飲まないよな」

「…まぁな…っと」

視覚から現れたブラックウルフをギリギリで交わす


「体力も魔力も空になった状態から自然回復すると回復率が上がるだろ」

「「え?!」」

2人は衝撃的な事実を知ったかのような反応をした


「…知らなかったのか?」

「そんなの初めて聞いたよ?」

「僕も」

「…そうか」

知らないという事実に俺は驚いていた

俺が知ったのはもう随分前の事だからこいつらも知ってるもんだと思ってたけど…


「じゃぁ迷宮出て力尽きてる時でも飲まないのは…」

「帰る余力分だけ回復させれば済むからだな。帰ってからちょっとトレーニングして使い果たせばこっちのもんだし」

「疲れたから帰るってだけじゃなかったんだね?」

「僕たちは遊ぶために回復させるからなぁ…」

「そう言えば、シアって全然遊ばない…よね!」

「シャノン休憩が必要か?」

「ごめん。ちょっと…」

「了解。ルークもいいか?」

「いいよ」

俺とルークはブラックウルフを倒してからストーンウルフを穴に埋めた

殺さなければ次が出てこないからだ


「ありがと」

シャノンは座り込むなりそう言った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る