13-2

「残念ながら今のCランクでスタンピードを経験したパーティーはほとんどいない」

「あぁ、つまり10以上の群れや次々と魔物が群れで出てくる状況を見たことが無いってことか」

「そっか。迷宮ではそこまで出てこないもんね」

「そういうことだ。そもそも迷宮なら自分たちの意思でその場から離脱することも出来るからな」

階段まで走ってしまえば何とかなる

そこで休憩して体力が回復してから再挑戦も可能

でも巣の掃討でそれは通用しない


「Bのパーティーは?」

「今残ってるのはお前たちだけだ。今の時期は王都でパーティーが開かれてるせいで護衛依頼が多いからな」

「あぁ…」

Aランク以上は後ろ盾の貴族に呼ばれる

Bランクは貴族の後ろ盾を求めてパーティー絡みの護衛を好む


「お前らが今日の依頼をまだ受けてなくて助かった」

「つまり俺達に依頼すると?」

「お前らなら問題ないだろ?Bとはいえエンドレスにも慣れてるって聞いてるしな」

流石に他の職員には聞こえないように小声で言ってきたけど情報元は弾丸か?


「まぁ確かにオークやオーガは動きが遅いから数がいてもどうとでもなるし問題はないと思うけど…」

最悪穴ほって埋めりゃいいと俺は考えていた

窒息するのを待つのは時間がかかりそうだから後から隙間を開けて一定量ずつ外に出せば、エンドレスと同じ状況を作り出すことが出来るしな


「僕はいいよ」

「私も」

ルークもシャノンもすぐに頷いた


「という事らしい」

俺が言うとギルマスが頷いて職員に依頼の処理をするように指示した


「助かるよ。最悪弾丸に出張ってもらおうと思ってたからな」

「え~それで弾丸って…」

まぁ確実に解決はするだろうけど


「ギルマス冗談きつい」

シャノンがぼやく


「俺だってそう思ってるから困ってたんだろうが」

バツが悪そうに言ったギルマスを見て俺達は笑ってしまった


「とにかくだ、お前たちに依頼出来たはいいとして…お前ら馬には乗れたか?」

「俺は乗れる。ルークとシャノンはまだ乗ったことなかったよな?」

俺の問いに2人は頷いた

「なら職員を1人ついていかせる。馬を2頭用意するから2人乗りで現地に向かってくれ」

ということはそれだけ焦ってたということか


「了解」

頷くとすぐに準備が進められた

職員の1人、トランさんと一緒に門で馬を受け取ると俺はシャノンと、ルークはトランさんと乗って現地に向かった

そこまでは良かった

問題はその場で目にした状況だった

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