あのお菓子です、はい。
「あのお菓子」について語りあう男女の日常のワンシーン。
7分前後のコメディシナリオです。
ぜひ、会話のやりとりを楽しんでください!
※内容が変わるほどの改変不可、一人称変更、アドリブ可。
※演者様の性別不問。
<登場人物>
・アヤト
製菓メーカー勤務の「あのお菓子」ファン。好きなものを熱弁しちゃう男性。
・マナ
聞き上手なアヤトの女友達。「あのお菓子」と初めて会う。
----お話はここから----
ー日曜日の午後三時、自宅にて
アヤト:これは、どういうことなんだ?
マナ:どういうこと?って?
アヤト:おかしいだろ、これ!
マナ:はい、アヤトの分
アヤト:はい、アヤトの分、じゃねえ!
マナ:練ったら美味しいでおなじみのお菓子、「ねるねるねってね」を作って持ってきただけなのに
アヤト:「ねるねるねってね」だと・・・!!
マナ:私が作りたいから作ったの
アヤト:それは俺が作りたくて買ったやつだよ・・・
マナ:・・・アヤト、「ねるねるねってね」作りたかったの?
アヤト:うん・・・マナ、しかもそれ俺が作るの楽しみにしてた
知育菓子のど定番「ねるねるねってね」5倍サイズ
マナ:え?これ作るのが楽しいの?
「ねるねるねってね」5倍サイズって・・・このお菓子元々小さいの?
アヤト:え?・・・「ねるねるねってね」知らないの?
マナ:私、「ねるねるねってね」初めてみたよ
アヤト:え?・・・さっき「ねるねるねってね」のキャッチコピー言ってたじゃん
マナ:「ねるねるねってね」のパッケージに書いてあったのそのまま読んだ
アヤト:マナは「ねるねるねってね」を知らないことで
素敵なサムシングがわからない大人になったのか・・・
「ねるねるねってね」を作って食べる喜びを知らないことで
人生の三分の二を無駄にしてる、本っ当に無駄無駄ぁ!!無駄遣い!!
マナ:何言ってんの?それに・・・素敵なサムシングって何?
意味わかんないけど、バカにされてるのはわかる
ついでに私の人生も一緒に、全部ぜーーーんぶ否定してるよね!
これってこれってもしかしてもしなくてもモラハラだよね?
「ねるねるねってね」を知らないことで私モラハラ受けてるよね
なんでたかがお菓子一つでこんなに好き放題言われてるの?
先生ー!アヤトくんがモラハラしてきます!
アヤト:モラハラ?・・・被害妄想ひどいって
っていうか先生って誰だよ!
あと、ちゃっかり「ねるねるねってね」を愚弄(ぐろう)しただろ
マナ:先生ー!アヤトが先生って誰だよって言ってまーす
(ボソッと)「ねるねるねってね」言い過ぎじゃね?
アヤト:おい、クマのぬいぐるみに向かって先生言うのやめろ
「ねるねるねってね」持ちながらぬいぐるみ抱えるのやめろ
あとボソッと「ねるねるねってね」言い過ぎって言うのやめろ
それ俺も思ってたから!!
マナ:クマのぬいぐるみ?えっ先生に何言ってんの?
あー先生、「ねるねるねってね」知ってました?
それとー、アヤトが私に対してやめろやめろって命令してきまーす
マナ:(腹話術風)『かわいそうなマナちゃん、先生がマナちゃんの代わりに
アヤトくんのみぞおちへ一、二発・・・いや、六発かますね』
アヤト:話を右から左へ流していやがる・・・
最悪話は流してくれていいから「ねるねるねってね」を持ったまま
腹話術してるけど全く出来ない人風な佇まいでこっち見るのやめろ
マナ:それにしても「ねるねるねってね」、粉入れるたびに練ってたら
どんどん色変わったけど食べられるの??
作ってる途中、食べ物の色してなかったよ
ただの白い粉に水入れただけで水色になって
小さい袋の粉入れたら水色だったのがどす黒くなって
水を追加したらブドウみたいな色になってさ・・・
・・・あ、「ねるねるねってね」美味しそうな色してるわ
アヤト:ったく・・・あれ?マナ、「ねるねるねってね」の他の袋はどうした?
マナ:他の小袋も入れて練ったら色が変わるかな?と思って
ブドウ色の「ねるねるねってね」に一袋ずつ入れて練ったよ
まあ、ブドウ色からその後変化はなかったけど、
アヤト:これは・・・「ねるねるねってね」のトッピング、
パチパチキャンディの袋・・・それに
すっぱい粉にミニラムネの袋も空になってる・・・
全部混ぜたのか?・・・マナ、お前・・・正気か??
マナ:トッピングってことはカップ焼きそばのふりかけみたいなものでしょ?
ブドウ色の「ねるねるねってね」本体が焼きそばの麺だとしたら
小袋たちは青のりと同じ立ち位置なんでしょ?
私はアヤトが「ねるねるねってね」のトッピングを忘れないように
全部一緒にしてあげただけだよ
アヤト:そのドヤ顔!腹立つわー!!
しかもそれほんっとうに余計なお世話だから
「ねるねるねってね」とともに幼少期を過ごしたこの俺が
味変アイテムのトッピング小袋を忘れるわけないだろ!
トッピングの小袋忘れるとか素人のすること・・・
この「ねるねるねってね」を愛して二十年の俺がそんなヘマするわけないだろ
マナ:ふーん、アヤトが「ねるねるねってね」を愛しているってことはなんとなくわかった
・・・なんとなくね、だけど・・・
アヤト:だけど、どうした?俺の「ねるねるねってね」への愛に驚いたのか?
マナ:知育菓子「ねるねるねってね」に私が敗北した感が半端ないの
アヤト:なんかごめん・・・「ねるねるねってね」について熱くなりすぎた・・・
マナ:いいよ、そもそも私がアヤトの楽しみをとっちゃったことから
私がアヤトの「ねるねるねってね」を邪道な作り方で作っちゃったから
アヤト:あー・・・その「ねるねるねってね」の作り方が邪道って
わかってくれたなら俺はそれでいいよ
マナ:案外奥深いのね・・・「ねるねるねってね」って
それと「ねるねるねってね」・・・この商品名大丈夫?
アヤト:商品名大丈夫って、どういうこと?
「ねるねるねってね」は食品由来の色素を使用した
唯一無二の知育菓子、類似品は今のところ・・・多分ない
マナ:・・・アヤトが「ねるねるねってね」が大丈夫って言うなら
私、「ねるねるねってね」を信じてみようと思う
アヤト:「ねるねるねってね」は作って楽しい、食べて美味しい知育菓子だ
今回は邪道な作り方だったが・・・
マナは俺のために「ねるねるねってね」を作ってくれたんだろう?
マナ:うん、それに作るの楽しかったよ「ねるねるねってね」
アヤト:知育菓子は作って楽しい、食べて美味しいが基本の「き」だ
一緒に食べよう「ねるねるねってね」
ー(間)完食後
マナ:そういえばアヤトって製菓メーカー勤務だったね、
「ねるねるねってね」みたいな有名なお菓子ってあるの?
アヤト:ん?「ねるねるねってね」は俺が広報部長を務めてるけど
あれ・・・話したことなかったっけ?
マナ:初耳なんだけど・・・「ねるねるねってね」広報部長やってたんだ
アヤト:まあな
そういえば俺たち、ここまで「ねるねるねってね」って何回言った?
俺、「ねるねるねってね」と出会ってから今日まで
こんなに商品名「ねるねるねってね」連呼することなかったわ
マナ:その会社愛、少しは私に向けてくれてもいいんじゃない?
アヤト:ん?なんか言った?
マナ:なんでもない!
-完-
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