IQ150超えの天才が試しに一回やったゲームの世界に取り込まれて最弱の主人公キャラになった件
モヘンジョ・太郎
第1話 プロローグ
なぜ人間は皆俺の思考についてこれないのか。なぜ努力をしているのに俺と差があるのか。ならばそれは無駄な努力なのか。
そんなことを俺は常々考えている。
◇◇◇
生まれて初めて口にした言葉が、おぎゃあ、などの産声ではなく、
「この世に生を受けたことに心から感謝します。」
であったことに両親は心底震え上がったと話す。なぜ生まれてほんの数秒でこのような言葉を口にできたのかはわからないが、後に、その時点ですでにIQは130を超えていたと聞いた。
今の話で分かるように俺は生まれつき突出した知的能力が備わっていたらしく、人々はこれを「特別な才能を授かった人」という意味で、ギフテッドと、そう呼んでいた。
例を挙げるとすると、生後5か月でほとんど日本語を話すことができる、2歳のときにアルファベットを覚える、3歳のときに元素記号を覚える、5歳で英検2級を取得する、、、など様々だ。
まとめると、つまり、俺は紛れもない天才だってことだ。だから、生まれてから苦を経験することなく順調にエリート街道をたどっていき、今この日本最難関である煌聖南学園のトップとして君臨しているというわけだ。
まあ、そんなに難しいことではない。もちろん、いくら苦を経験していないといっても俺だってそれなりの勉強は日々してきた。しかし、それは努力とは呼べずむしろ俺を形成する一部のような認識であったため、今この場にいるのは俺にとって当然なのである。
ここまでいろいろと話してきたが、少し俺の小・中学生の頃について話しておこう。
◇◇◇
俺はごく普通の小学校に通ってみんなと同じ授業を受け、生活を共にしていた。しかし、簡単な内容を何度も繰り返し行う学校での勉強にあきれて、瞬く間に不登校となった。
それも無理はないだろうと医者にも言われた。なんせ俺は当時、人口の上位2%の知能の持ち主なのだから、学校が合わないのは仕方ない。
そのため、それを受けた両親は俺を無理やり学校に行かせることなく自由にさせてくれた。ここで勉強というものが俺の生活の一部として形成されたのだろう。
中学校に進学すると、ギフテッドであるが故の俺に対する周りの受け入れがより一層冷たくなった。なんてクソみたいな社会だ、と日々思いつつ、自分だけの世界を楽しんでいた。
そんな中、俺は唯一の友達ができた。
そいつの名前は、黒沢徹と言い、まさか彼もまた俺と同じ境遇の人間だった。
彼が優れているのはゲーム・プログラミングだ。
生まれたときから好奇心が旺盛で様々なゲームに触れており、3歳の頃に自分独自のゲームを作成するほどの知能を持っていた。
(もちろん俺はゲームなど生まれてこの方やったことないのだが)
ギフテッド同士だからなのか俺と徹は意気投合し、それからというもの、お互いの知恵を出し合い、社会はどう在るべきか議論を重ねたものだ。
、、、とまあこれがの生い立ちみたいなものだ。
おっといけねぇ、そろそろ学校が始まっちまうみたいだ。
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