第4話 かわいい後輩 by釉翡

俺はコシュマール、という最大派閥に所属している。無派閥という分類のなかでもコシュマールに近いところに彼女はいる。一年生主席、濡羽ぬれば。どの派閥でも慕われる、唯一無二の存在。おかしいほどに名の売れた闇医者。かわいいかわいい後輩である。

釉翡ゆうひ?どうしたの?」上目遣いに銀髪美少女━━こと濡羽が問う。「あー、別に大丈夫。」頭撫でて、と要求しつつ言う。 「別にいいけどさー、高2の美青年がそれかよー。」呆れたように少女が笑む。「いいだろ、こんくらい。いつも頑張ってるんだからよ。」しゃーないなー、と零して「保健室行こ。」ひらりとスカートをはためかせて。

「借りるよー。紗羅さらの師匠。」「またなのー?サボり魔。」人差し指を唇にあてて今から楽しいことするからさ?と言い切った。「で、なんでこれだけー?」「約束通りのはずだけど。」保健室のベットで膝枕をしていた。不満げな釉翡に少女は「欲求不満かよ?」とニヤニヤ笑う。バツが悪いと言うようにすん、とそっぽを向いて「期待させる方が悪いだろ。」「勝手に期待してる方も悪いでしょ。戻るよ、そろそろ。」ちぇっ、と舌打ちを残して2人は保健室を後にした━━━。

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