積み木
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私に最近、新しい趣味が出来た。
古い段ボールを片付けていたら見つけたんだけど、まだ新品の積み木。
ひとつずつ、積み木を集めて上に重ねていく。
沢山のせるのは、うっかりくずさないように神経をつかうけれど、積み上がる塊は壮観だ。
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積み木のおもちゃが、手放せなくて自分の過眠症状すら忘れていた。
野菜や果物の名前が描いてあるから、やおやさんみたいで、なんだかおままごとという感じ。
いらっしゃい。
安売りだよ、なんてね。
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最近、家に帰るたびに、積み木をしてる……
うん。健全かな。
部室棟の鍵は、まだ見つからないんだって。
妻源さんが、チョコレートをくれた。
知り合いの店で売れ残りで安くなってたから、みんなにあげてるらしい。あとで食べよう。
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心のなかで、あいつを
烈火と名付けた。
レッカ君。
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家で積み木で遊んでるところに、のら猫が来た。どっから入ったんだろう……
鍵開けてたかもしれない。
積み木を崩したそうだった。
だめだよ。せっかく集めたんだから。
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烈火が、またミナミと騒いでる……
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積み木が崩されないように、丁寧に接着する夢を見た。夢で良かった。
のせる順番を変えたり、全部片付けたりできなくなるもんね。
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みーくんに会いたい。
同じくらいに、睡魔がくる。
どうしたんだろう。
夢に出てくるくらい好きなのに。
みーくんが、私を忘れていくかもしれないと考えたら怖い。
でも、気がついたら眠っている。
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みーくん、みーくん、
城伊井くん。
朝練くらいの時間なら、学校あいてるよね。
はやくから学校に行って、いつ来てもいいようにしようかな。
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また寝過ごした……
どうしてこんなに、眠いのだろう。
少し遅れて学校に来たらミナミに、
ぼくの冬休みってゲームの早送りの動画を見せられた。TASっていうらしい。
主人公が、寝て、起きて、一日を浪費する様子を繰り返す画面。
なにが言いたいのよ、ミナミ。
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怠惰な人間になってしまいそう。
みーくんに、避けられてるし、ミナミと歩いているのを見てしまった。
あの動画みたいになってる私を、やっぱり笑ってたんだ。
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眠らないうちに、朝御飯を用意して眠りについたんだけど、すっかりお昼ご飯。
積み木をする。
積み木をする。
積み木をする。
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休みの日は、寝て起きて、寝てしまう。
目覚まし時計を何度もかけた。
自己嫌悪した。
積み木をする。
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私が外に出ようとするタイミングでいつもミナミが出掛けてくる。
近所なんかやだな。
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