1章-3 市場調査1

 昨夜は、今後の方針を決めた後にすごい眠気に襲われて気づいたら寝てしまっていた。


 次に目が覚めたのはすでに周りが明るくなってきた7時頃であった。朝食を取るために食堂に向かうと、今朝のメニューはトーストとソーセージ、そして目玉焼きがワンプレートにのっているものだった。しっかりと朝ご飯を食べた後、受付に行って今日から10日間連泊したい旨を伝えて、金貨1枚と銀貨50枚を支払った。


 部屋に戻ってから、今日すべき、最低限必要なことを確認する。まず、昨日着てきた服以外持っていないので服を3セットほど用意したい。幸い、この宿では2日に1回追加料金を払えば洗濯してくれるらしい。料金は1セットあたり銅貨50枚である。なので、3セットと今着ている1セットがあれば事足りるだろう。


 次に、昨日発注した商品を納品するときに使う入れ物とカバンが必要である。宿に1泊してわかったが、この世界にはビニール袋が存在していない。なので、納品する際に何かしらのツボか麻の袋に入れ替える必要がある。また、10kgくらいまでなら、リュックサックみたいなカバンを購入して、その中に商品をつめて納品に行くのが違和感がないだろう。そうすると、壺よりも麻の袋の方がカバンの中にぎっしり詰められて良さそうだ。


 最後に、価格調査を行わなくてはならない。俺はこの世界のことをよく知らない。なので、購入した商品がいったいどれくらいの価値があるのかがわからない。そこで、今回納品する商品が街ではいくらぐらいで販売されているのかを調べる。そこから、営業の経験を活かしてどれくらいの卸値か予想することにした。


 今日の方針が決定したところで、さっそく宿の受付に行きおすすめの服屋さんの位置を聞きだし、そのお店に向かった。


 お店の名前は、『クジャク屋』。いかにもおしゃれそうなお店である。店内に入ると、店員が話しかけてきた。

 

 「いらっしゃいませ。何をお探しでしょうか?」

 「商人としてやっていくうえで、おかしくない程度の服が

  3セット欲しいのだが…」

 「わかりました。ではこちらで何セットか

  ご提案させていただきます。」

 「お願いする。」


 店員はそういうと、商品からどんどんと選んでいき5セットほど候補をみせてくれた。


 「おすすめの組み合わせだと、これになります。」

 「ちなみに、いくらになる?」

 「1セットあたり、銀貨20枚になります。」


 予定では3セット買うつもりであったが、もし何かあった時の予備として5セットとも買うことにした。


 「なら、すべて買うことにする。ちなみにだが、宿屋に

  届けてもらうことは可能か?」

 「本来ですと、銀貨1枚になるのですが…

  たくさんお買い上げいただいたのでサービスさせて

  いただきます。」

 「助かる。」


 店員に滞在している宿屋を伝え、代金として金貨1枚を支払った。そして、カバンなどが売っているおすすめの雑貨屋の位置を教えてもらい、俺は店を後にした。


 教えてもらったお店は『ツバメ屋』というらしい。このお店では、いろいろと商売に役立つ雑貨を販売しているそうだ。


 お店につくと、そこにはいろいろな種類の袋であったりカバンが売られていた。店員にすこし聞いてみた。


 「ちょっと聞きたいんだが、調味料を小分けにするのに

  ちょうどいい袋はどれだろうか?」

 「どれくらいの量を入れたいなどありますでしょうか?」

 「200〜300gほど入れられるものと、1kgほど

  入れられるものが欲しい。」

 「でしたら、この250gほど入る麻袋と1kgほど入る麻袋が

  おすすめになります。」

 「ならば、それをもらおう。あと、それらを持ち運ぶ

  ためのリュックかなにかが欲しいのだが。」

 「リュックの容量はどれくらいがよろしいでしょうか?」

 「15Lほどでお願いしたい。」

 「わかりました。では、こちらがおすすめになります。」

 「ちなみになんだが、なにか硬貨をしまっておける

  財布みたいなものはないだろうか?」

 「商人の方でしたら、組合の方で口座を持つことが

  できます。ですので、日常使いに困らない程度の

  この財布などいかがでしょうか?」

 「その口座は、支払いにも使えるのか?」

 「我々のように商人組合に所属しているお店ならば

  どこでも使えます。ただし、露店では使えないので

  少しは硬貨を持ち運ぶ人が多いですね。

  詳しい話は、商人組合で聞くことができますよ。」

 「なるほど、ありがとう。ならば、おすすめの財布も

  購入させてもらおう。」


 結局、店員さんに頼んで以下のものを購入した。


 <購入した商品>

  ・250g の麻袋     20個  銀貨2枚

  ・1kg の麻袋   5個  銀貨1枚

  ・15L のリュックサック 1個  銀貨5枚

  ・財布          1個  銀貨2枚と銅貨50枚

  ・ふろしき        1個  銅貨10枚 


 購入したものをリュックに詰めてもらい、食品などが売っている市場の場所を教えてもらった俺は、市場へと向かうのであった。


 <残金>

   運営資金: 金貨4枚 銀貨52枚

    資本金: 金貨1枚 銀貨22枚 銅貨40枚

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