幽霊で錬金術師やってます 〜錬金術と複製能力の相性が抜群で無双したら両方の世界で天使様と呼ばれるようになりました
猫月九日
第一部
妹が泣いているので
第0話 プロローグ
深い深い森の中、近くの村では魔の森と呼ばれる危険な森。
一般人はおろか、少々腕の立つ人間ですら入ったら出てこれないと有名な森である。
そんな森の中を一人の少女が歩いていた。
危険である。
早速釣られるように魔物がよってきた。
狼型の魔物、俗に言うウルフと呼ばれる魔物だ。
それも一匹ではなく5匹程度の群れだ。
いずれもお腹が減っているのかよだれを垂らしている。
そんなウルフの群れは少女に寄っていく。
少女も気がついたのか、ウルフを避けるように横にずれる。
まるで狭い道で道を譲るかのごとく自然な動作だった。
当然ウルフはそんなことで哀れ少女は、魔物の餌になってしまう。
こともなく、
ウルフは少女の横をすり抜けた。
気が付かなかったのだ。
こんな距離で?
自然に生きる魔物が目の前の餌を取り逃す?
そんなことがあるのか?
もちろん普通はありえない。
だが、しかし、少女は普通ではなかった。
いろいろな意味で。
ウルフの群れをスルーした少女は、振り返り。
ポケットから一本のナイフを取り出し、増やし、
一際大きなウルフに向かって投げた。
まるで紙飛行機を飛ばすかの如くゆっくり投げられたそれは、相応の速度で飛んでいき……
ウルフに刺さり、悲鳴もあげずに倒れた。
周りのウルフも突然倒れた仲間に動揺し、警戒を始める。
当然少女も視界に入る……
だが、少女はなんの危機感もなく、もう一度ナイフを振りかぶり投げた。
先ほどと同じように飛んでいったそれは、別のウルフに刺さり、また倒れた。
それを見た残りのウルフは堰を切ったように逃げ出した。
それを見送る少女は追う様子はなく、
ゆっくりと倒れたウルフに近寄り手をかざす。
すると、一瞬にしてウルフが消えた。
もう一頭のウルフにも同じようにして、満足そうに少女はまた歩き始める。
何事もなかったかのように。
何度でも言おう、
少女は普通じゃなかったのだ。
なにせ、
「ああいうのに気が付かれないって意味では幽霊も楽だよね」
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お読みいただきありがとうございます。
この作品、2年ほど前に書いてとある事情で死蔵していたのですが、投稿することにしました。
3章まで書き終わってまして、およそ100話分くらいのストックがあります。
ガッツリ書いてしまっているので、変な部分等ありましてもスルーしていただけると幸いです。
1話も同じ時間に投稿しております。2話は17時に投稿予定です。
その後は8話まで毎日2話ずつ(8時と17時)投稿します。
9話以降は100話までは毎日投稿の予定です。
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