龍王装甲ライ
@uminokame
第1話始まり
遥か昔、世界を支配していたメガフィス帝国彼らは悪事の限りを尽くしていた。そんな帝国の支配に対抗していた勇気の民がメガフィス帝国の秘宝を奪い取ることに成功し、帝国の力が弱まった。間もなくして天変地異が起き帝国は海の底に沈んでいった。
そして時が流れ、現在舞台は東北のとある県、喜(よろこび)町の一軒家、ここに住む赤髪の少年名を龍峰 礼(りょうほう らい)8歳
「よし、着替えた学校の準備も゙バッチリ、ママは朝ご飯出来たかな?」
着替えた礼は学校の鞄を持ち、2階の自室から1階のダイニングに降りていった。
「おはよう、パパ」
「おはよう、ライ今日も寝坊せずに起きれたな」
新品同然の真っ白なポロシャツを着た好青年、彼こそ礼の父親 研二 28歳である。
「今日で2週間寝坊回避だな」
「当たり前だよ、オイラだって小学2年生になったんだよ。少しはお兄さんらしくなったんだって」
「さぁ、ご飯だよ。ライ座って」
皿を持って来て食卓に並べてる赤髪の美人は母親の麗(れい)年齢不詳である。手際よく全ての皿を並べ終えると3人は朝食を食べ始めた。
「うん!美味しいやっぱりママのご飯は美味しいや」
「あぁ、それに野菜や卵を綺麗に切れてるママ本当に包丁さばき上手いな」
「ありがとう、なんだか刃物の扱いが上手いのかな包丁を持つとワクワクしちゃうの。それよりあなた今日は?」
「あーとっ、義父さんとまた研究だ大昔沈んだとされている幻の大陸について」
「はぁ、父さんももっとお金になる研究をしてくれるといいんだけど」
両親が話し合っている間に礼は早々に朝食を平らげ、鞄を持ち、学校に行くためダイニングから出ようとしたそのとき
「おぉ、礼おはようさん」
「あっ、じいちゃんおはよう」
やって来たのは頭髪の少ない、老人で彼こそ礼の祖父 桂 英丸(ひでまる)だ
「学校に行くのか?気をつけてな」
「うん、行ってきます。」
「気をつけてね」
礼はダイニングを出て、玄関まで行く途中、床に光るものを見つけた。
「何これ?」
それは菱形の透明なクリスタルだった。
「うわぁ~、透明でキレイな形してるなぁ」
クリスタルを持ち、うっとりと眺めていたが
「いけない、こんなことしてたら遅刻しちゃう」
クリスタルをズボンのポケットに入れ、玄関から勢い良く学校へ登校して行った。
舞台は変わり、太平洋の海の底、誰にも知られていない海底洞窟、そこではメガフィス帝国の生き残りが人間以上の文明を築きながら、再び繁栄の機会を待っていた。そしてとある一室の広間
そこに佇む巨大な影、分厚い鎧を身に纏い、頭部が像の武人のような怪人鋼鉄将軍シュタールだ
「同士達よ集まるのだ」
広間にシュタールの声が響き渡ると、4つの影が現れた。
「よく集まった、我らメガフィス帝国は未だ多くの同胞が眠りから覚めていないが、あらかたの戦力が整った、そこで大昔に奪われたメガフィス帝国に伝わる秘宝を奪い返しに行きたいと考えている、そして世界を我らが支配し再び繁栄させるのだ。」
「フフッ、ようやくか遅すぎやしないか?シュタール」
「長く待ち過ぎたねぇ」
人型のライオンで炎のたてがみの猛獣将軍フレオーンと頭部がきのこの魔女のような姿の魔術将軍グリモワが嬉々とした様子で話しかけていた。
「うむ、遂にか」
「何でもいいから早くやろうぜ」
全身黒く手足に電流が流れているのがわかる雷(いかずち)将軍ボルダーは静かに語り、人型カマキリで手足に鎌が備わっている刃将軍ブレイズは野心を燃やしていた。
「それで秘宝はどこにある?」
ボルダーがシュタールに問いかけた。
「うむ、我らから秘宝を奪った、我らと敵対していた者どもから勇気の民と呼ばれていた輩達は現在の日本に持って行ったと話が伝わっている」
「こっからいちばん近くにある国じゃねぇか」
「そこでだ、我々5つの種族から尖鋭を送り、秘宝の情報収集及びその捜索そして我々のことを嗅ぎ回っている者達がいるその者達の可能な限り拉致、殺害は極力さける、そしてそれが任務だ。」
「なら私の魔術族だね良い人材がいっぱいいる」
「いや、俺ら刃一族だ邪魔すんな」
「黙りな小僧!ただ殺しがしたいだけだろ、それにアンタの刃一族やボルダーの電気一族は元々の数が少ない、アタシらのトップに立ちたいお前さんにとっては戦力が減るのは得策とは思えんがねぇ」
「ふざけんなっ!失敗すると言いたいのか、それ以上言うならお前から」
ドオン!グラグラァァァ
「そこまでだ、今我々が争うときではない」
言い争うグリモワとブレイズをシュタールが床を強く踏みつけ地鳴らしを起こし仲裁した。
「今回はグリモワに任せるとしよう、ブレイズもそれで良いな?今回でなくとも手柄を立てれば我らの主も評価してくださるその時を待て」
「チッ、覇権を取った一族の将軍様は俺らの中でもリーダー気取りかよ」
ブレイズは納得のいかない態度で悪態を付きながら広間を去って行った
「それでグリモワ、誰を行かせる気だ」
「ヒヒッ、そうさね、キャメレオン!」
グリモワの呼ぶ声に応えるように全身エメラルド色の人型カメレオンが現れた。
「魔術族キャメレオン参上いたしました。」
「キャメレオン、任務の方はわかっておるな。ヘマしてはいかんぞよ。」
「承知しました。ただ一つ疑問があります。」
「何じゃ?」
「はっ、秘宝を探す前に首都を征服したらよろしいのではないでしょうか?そうすれば隠れて行動することもないと思うのですが。」
キャメレオンから投げかけられた疑問にシュタールが答える
「確かにあらかたの戦力は整ったと言った、しかしそれはまだほんの一部であって、首都に攻勢をかけるにはまだ足りない。それこそ眠っている仲間達が目覚めてからでも遅くない。それに秘宝が戻れば首都など簡単に落とせる」
「わかりました。」
キャメレオンは納得した様子で頷いた。そこでボルダーが思い出した様に話す
「そういえば、強力な武装を持った秘密組織が我々のことを探っているとも聞く、そいつ等はどうする?」
「様子を見るしかない。どれほどの戦力を持つかわからない今は攻撃を仕掛けるのはやめておこう」
シュタールの言葉を聞いたグリモワがキャメレオンに命令する
「キャメレオンや、可能ならその秘密組織の情報も集めて来るのじゃ」
「ははっ、直ちにオークコング部隊を編成して、任務を実行します。」
キャメレオンは頭を下げた後立ち去った。シュタールは拳を握り、呟いた
「取り戻してみせるぞ、帝国の栄光を、そして龍の鎧を」
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