君は僕の太陽
Quill pen
1
私は片想いをしている。
相手はペンパルサイトで知り合ったウィルって名前の男の子。知り合ってもう一年で、直接会ったことは一度もない。
私はテキサスに住んでいて、彼はデトロイトにいるんだから仕方ないよね。
会ったこともない人に恋するなんて変だと思うかもしれない。
だけど、ウィルは私と同じ高校に通っているどんな子よりも私と気が合うし、私をよく分かってくれている。
私が一日、いや、三日くらい学校に行かなくたって誰も気づかないと思うけど、ウィルはスマホ越しでも私が落ち込んでいたらすぐに気づいて、話を聞いてくれるんだ。
私たちはお互いのことを何でも知っていて、毎日二時間はチャットするし、時にはオンラインゲームをしたり、クリスマスや誕生日にはプレゼントだって送り合う。
パパとママを除けば、こんなに私と親しい人はいない。
でも、彼が私のことをどう思っているかは正直分からない。ただの友達としか思っていないんじゃないかな。
むしろ、別で好きな子がいる可能性の方が高い。だって、前に一度、こんなメールのやり取りをしたことがあったから。
◆ ◇ ◆ ◇
Will : 「ねえ、ジェス、もし君のことが好きな子がいて、その子が君に『
Jessica : 「え、ちょっと、いきなり何の話よ?」
私は顔を真っ赤にしながら返信した。まさか、彼には他に好きな子がいるのかしら?
その子に告白するとき、なんて言えば良いか分からないから私に相談してるわけ?
Will : 「ちょっと気になっただけだよ。で、答えは?」
私は少し考えてからこう送った。
Jessica : 「正直言って、センス無いと思うわ」
Will : 「どうして?」
Jessica : 「だって、『
Will : 「じゃあ、君は何て言われたいの?」
ウィルったら、さっきから何なのよ。
いつもはこんな話しないのに。私はとりあえずこう答えた。
Jessica : 「相手によるわ」
少しだけ、間があった。
Will : 「じゃあ、君もその子が好きだったら?」
やだ、じゃあウィルが告白しようとしてる子も多分、彼のことが好きなんだわ。
ああ、落ち込まないで、ジェシカ。まだそうと決まったわけじゃないんだし。
いいわ、どうしても知りたいっていうなら教えてあげるわよ。私が一度でいいから、あなたに言われてみたい言葉を。
Jessica : 「
Will : 「それってちょっと変わってるね」
何よ、それ。
Jessica : 「あなたが聞いてきたのよ?」
Will : 「だって、
Jessica : 「発音なんて私にはどうでもいいの。大事なのはその意味よ」
ウィル、あなたは太陽みたいに私の心を温かく明るくしてくれるわ。全ての生き物が太陽なしに生きられないように、私もあなたがいないとどこか虚しいの。
Will : 「面白い意見だね」
◇ ◆ ◇ ◆
その後、私たちは何事もなかったかのように別の話を始めた。だけど、私は今でもこの時のことが頭に引っかかっている。
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