第23話 PHASE2 その10 秘め事しちゃった

「北野さん、今日はご機嫌ですね」

職場で唯一の後輩である安藤さんが話しかけてきた。

基本的に仕事も卒なくこなす真面目でいい女の子なのだが、

友達と出かけるのが好きで、よく休みに関して同僚と衝突するのが玉に瑕だ。

暇な時に余分なお喋りをして注意されたりもしている。

そんな時は冬馬が嗜めたりするが。


「そうか?まあ、そうだな」

冬馬は曖昧に答えた。安藤さんは鋭いところがあるので少し警戒していたからだ。

(ま、流石に俺と夏子が同棲まがいの事をしているなんて知らないだろうけどな)

「北野さん、わかりやすいですからね。

今週は沈んでいたかと思ったら嬉しそうにしてますし」

「おいおい、そんな分かりやすいの?」

「わかりやすいですよ」


(……。知らないのは自分ばかり也か。)

「北野さん、見てて飽きないですよ。」

「……、仕事しなさい。」

安藤さんは、顔を膨らませて仕事に戻った。

(今日は、ある程度仕事を片付けて帰らないとなぁ。)



「毎回、シーツがびしょびしょになっちゃうの、何とかならないかなぁ」

夏子は汚れたシーツや枕カバーを洗濯機の中に入れた。

シーツが汚れるのは自分のせいなのだが。

「ベッドも出来ればダブルがいいなぁ。冬馬くんに相談しようかな?」

冬馬が今使っているのはセミダブルのベッドだが、

やはりもう少し大きいのがいいなと感じていた。 

「とりあえずは、洗濯物はこれ位か。天気が良くてよかった」

夏子は洗剤とか入れて、洗濯機を回した。


「よし、掃除しよう」

そして次に掃除を始めた。リビングに掃除機をかけ、拭き掃除をする。

その合間に洗濯物を干していく。テキパキした動作だった。

その次は寝室の掃除に取り掛かった。ベッドのシーツを取り替えたり、

掛け布団を干したりした。

トイレや浴室も綺麗にする。家にあった掃除用具類では物足りなかったので、

今度、近所にあるドラッグストアで買おうかなと考えていた。

(冬馬くんと買い物にいって、一緒に選びたいな)


気がついたら洗濯物が乾いていたので、部屋の中によせて畳んでいく。

掛け布団も忘れずによせないとなぁと思ってみたり。

そして洗濯物の中に、冬馬の下着もあった。

夏子は思わず、つい掴んで匂いを嗅いでしまった。

まだ加齢臭が出る年齢ではないが、夏子にとって安心できる匂いだった。


(あ、なんかいいなぁ)

そんな事を考えていると、無意識に右手をショーツの中に入れていた。

左手は胸を揉んでいる。


「冬馬くん……、好き……」

夏子は吐息混じりにそう呟いた。ショーツの中の手の動きが激しくなる。

そして、再び右手で胸を弄り始めた。


(あぁ、気持ちいい……)

夏子の大事な部分は湿っていた。それに気づいた夏子は、

左手で軽く押し潰したり擦ったりした。

ショーツの中でクチュクチュといやらしい音が響いている。

今度はスカートの中に左手を入れた。そして優しくなでるように触った後、

指先で強めに押さえたりもする。


(あぁ、イキそう……)

夏子はラストスパートをかけるように手を早めた。

ショーツの中に入れた左手で敏感な部分を刺激する。

そして右手で胸を揉む手も止める事なく動かし続けた。

やがて絶頂を迎えそうになると、夏子は激しく手を動かした。


(イキそう……イクっ!!)

次の瞬間、夏子の体がビクビクッと震えたと同時に

大きな波が来たように絶頂に達したのだった。



「あれ?いつの間にか寝ちゃってた?」

夏子は洗濯物を畳んでいる最中にヤってしまい、

あろう事かイッた後にそのまま寝てしまったらしい。

急いで洗濯物を畳んだが、もう夕方近い。


「買い物してこなきゃ。」

冷蔵庫の食材が心許なくなってきたのでゆっくり買い物したかったが、

予想外のアクシデント(?)で、最低限のものだけ買ってきた。

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