第18話 PHASE2 その5 一緒にいるなら

「そろそろ寝ようかな……」

冬馬がそう言うと、夏子はポツリと呟いた。

「ねぇ、一緒にお風呂に入らない?」

「……あぁ、別に構わないけど」

「よかったら、また一緒に洗いっこしよっか」

「そうだな、二人でもっと仲を深めようか」

そうして2人は風呂場に向かっていった。


「背中流してあげるね」

夏子はそう言って、泡立てたボディタオルで背中を擦り始めた。

(やっぱり大きいなぁ)

その大きな背中には安心感があるように感じた。

次に胸や腕を洗っていく。そして……ついに秘部に触れた時だった。


「あぅ……」

と冬馬が声を上げた。

「ごめんね、ちょっと痛かった?」

夏子が謝ると、彼は首を横に振った。

「いや、違うんだ。ただ急に触られたからびっくりしただけだよ」


冬馬は照れながら答えた。そしてお返しとばかりに

夏子の体を洗い始めるのだった。


「ありがとう、すごく気持ちいいよ……」

「本当?じゃあもっとしてあげるよ」

冬馬がボディタオルを使って夏子の体を丁寧に洗った。

その手つきはとても優しかった。


「ふぅ……気持ち良かったね」

「あぁ、そうだな……」

2人は暫くの間見つめ合っていた……。

そして唇を重ね合わせるのだった。


それから2人で湯船に浸かり体を温める事にした。

冬馬は夏子を抱き寄せながら会話をした。

夏子はもう暗い雰囲気ではないみたいだ。


「そういえば冬馬くんって、今まで恋人とかいなかったの?」

「何だよ、急に?」

「だって、こんなにいい男なのに彼女いないとかおかしいでしょ?

もしかしてホモだったりする?」

夏子が笑いながら言う。冬馬は苦笑いをした……。


「そんなんじゃないよ」

と否定するが、実は高校時代には割と仲のいい女友達がいた事はあった。

……結局、恋人同士にはなれなかった。

冬馬自身からは何もアプローチはしなかったけれど、

もし積極的なアピールをしていたら、もっと仲良くなっていたのではないか、

今になってそう思っていた。


「じゃあ、好きな子はいたの?」

夏子が興味津々といった様子で聞いてくる。

冬馬は少し考えた後、こう答えた。

「う~ん、どうかなぁ……」

(そんな簡単に言えるわけないじゃないか!)

と心の中で思うのだった。


「やっぱ、言いたくないのかなぁ?」

と言いながらも夏子はまだ何か聞きたそうにしていた。

すると冬馬はこう切り返した。

「夏子はどうなの?」


「私は……まぁね……」

夏子も言葉を濁した。その表情から察するに、

あまり言いたくないらしい……。

冬馬はそれ以上聞くのをやめた。

すると今度は夏子の方から話しかけてきた。


「冬馬くんは、どういう女の子がタイプなの?」

「うーん、そうだなぁ……」

「スタイルが良い子とか、胸が大きい子が好きでしょ?」

「まぁ、そういう人もいるけど、俺は特に気にしないよ」

「じゃあ、性格は?優しい子が好きとか、ギャル系が好きとか」

「うーん、俺はどっちかっていうと落ち着いた感じの子がいいかな?」

「ふーん、そうなんだぁ……。なるほどねぇ……」


夏子は少し考え込むような仕草をした。

そして何かを思いついたかのように顔を上げると、

いきなり冬馬に抱きついてきた。


「ねぇ、冬馬くん。私って落ち着いた感じに見える?」

夏子が上目遣いで聞いてくる……。

その顔はどこか妖艶な雰囲気を漂わせていた。

(あれ?何だこの感じは……?)

突然のことに戸惑いながらも、

なんとか平静を装って答えることにしたのだった。


「落ち着いているわけじゃないけど嫌いじゃないよ。

一緒にいて嬉しいと感じる人が一番好きだ」

「へぇ、そうなんだぁ……」

夏子はニヤリと笑うと、さらに顔を近づけてきた。

そして耳元で囁いた……。

「ねぇ、私のことどう思う?」


その質問にドキッとした冬馬は答えられずにいた。

すると夏子が続けて言う。

「私もね、あなたと一緒にいると嬉しいの」

「そうか、ありがとう……」

「でもね……。私って結構エッチなんだよ?」


夏子はそう言うと冬馬の股間に手を伸ばした。

そして優しく撫で回すように触り始めた。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

と制止しようとするが、既に遅かったようだ……。

夏子の手によってそこは硬く大きくなっていたのである。

「続きはベッドでしようね♡」

そう言うと夏子は冬馬の手を引いて浴室から出たのだった……。

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