第16話 PHASE2 その3 思いつめた夏子

翌朝、冬馬はいつも通り朝食を済ませて出勤する。


今日は少し早めに家を出たが、その分電車は混んでいた。


今日も忙しい一日になりそうだなと思った。




冬馬は、出来るだけ余分な事は考えずに仕事に没頭した。


夏子の事を考えだしたら、仕事にならない事になるのはわかっていたので。




昼休みになったが、夏子からの連絡はまだなかった……。


(何かあったのかな? )


気になって◯インでメッセージを送った。


既読も付かず、彼女からは返信がなかった。




(まさか事件に巻き込まれているとかじゃないよね? )


そんな不安を感じながら午後の仕事を開始するが、


やはり夏子からの連絡はないままだ……。






そして定時になったので帰宅する事にした。


自宅に戻った冬馬は、着替えてから夕食の準備をした。


夏子からは連絡はないままだ。




「大丈夫かな?」


冬馬は心配になる。 このまま連絡が来なかったらということを考えると


不安になってしまうのだ。


少し沈んだ気持ちでいると、スマホから通知音が聞こえた気がした。




(もしかして)


急いで画面を見ると夏子からのメッセージだった! 慌てて内容を確認する。


しかしそこに書かれていたのは


思っていたものとは少し違った内容だったのだ……。




夏子:「会いたい」




何というか、思い詰めたような感じがしたのだった。


(やっぱり変だよなぁ)




帰宅して、夏子からの連絡を待つが一向に来る気配がない。


何かトラブルに巻き込まれたのではないかと心配になってくる。




(もう1回◯インしてみるか? )


そう思い立ちスマホを手に取った時だった。


インターホンが鳴ったのが聞こえてきた。 急いでモニターを確認すると…




そこには彼女がいた!




しかしながらドアを開けたその先に見えた夏子は神妙な顔つきをしていて、


大きなキャリーバッグを持参していた。




「お願い、暫く泊めてちょうだい。」




「あぁ、別にいいけど……。 一体何があったんだ?」


「後で話すわ……。ごめんね、迷惑かけて……。」


夏子は部屋に入っていった。




それから暫くは沈黙が続いた。


夏子は俯いたままでいて表情が見えないが、何か思い詰めているようだった。


二人は何を話していいかわからずに時間が過ぎていくだけだった……。




数分後、夏子が顔を上げたかと思うと思いがけない言葉を告げられた。



「ねぇ、抱いてほしいの……」




「え?」


冬馬は驚いたが、夏子の表情は真剣だった。 そして彼女は服を脱ぎ始めた。




(おいおいマジかよ!? )


慌てて止めようとしたが遅かった……。


彼女の豊満な胸が露わになり、大事な部分も丸見えになっていた。




「冬馬くん、私もう我慢できないの……」


夏子はそう言うと、そのままベッドまで移動して仰向けに横たわった。


そしてゆっくりと脚を開いていく……。


そこは既に潤っていて準備万端だった。




「お願い、早く……」


「一体、何があったんだよ。」


「話はあとでちゃんと話すから、今は取り敢えず……」




夏子は大事な部分を見せつけてきた。


「 ほら、こんなに濡れてるんだよ……。 早くしないと風邪ひいちゃうわよ?」


「あぁ分かった。じゃあ……」




冬馬は夏子との行為に夢中になっていた。


こんな姿を見せられて挑発された日には、我慢など出来ないだろう。




「んぁっ、すごい……」


夏子が喘ぐ。そしてそれに答えていく冬馬。


何時しか冬馬は、夏子にむしゃぶりついていた。



「はぁっ、気持ち良い……!」


夏子は快感に身を委ねていた。 冬馬はさらに激しく攻め立てる。



「あっ、もうダメぇ!」


夏子が絶頂を迎えたように体をのけ反らせた。


そして同時に冬馬も果てたのだった……。




2人はそのまま抱き合っていた。


お互い汗まみれだったが、それでも構わずに抱き合っていた。




「ねぇ冬馬くん……」


夏子が話しかけてくる。 その声は少し震えていたように聞こえた……。


「一体どうしたんだ?」


冬馬が尋ねると、夏子はゆっくりと話し始めた……。

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