実績にならないミス

 今日、仕事でミスしたのを帰宅後に気づいた。

 営業も兼ねた接客業を仕事にしているのだが、レジを打つことも多々あり、今日はその打ち忘れを思い出したのだった。

 在庫に差異が出るとか、お客様に不利益が出るとかそういうのではないが、むしろお客様が得をしてしまったのだが、こちらとしては私の売上が減ってしまったので気分は最悪である。あれだけ時間をかけたのに、売上にならないとは悲しいものである。本来なら私の実績になったものが……、もう何も考えたくない。

 次の人事考課でも響いてくるのかしら、と思うとすべてが嫌になった。できることといえば同じ轍を踏まぬようにするしかない。勉強になったと思えば良いのだ。しかし、実績にならないと考えるとやっぱりメンタル回復には程遠いのだった。

 上司に叱られることはなくとも、うさみさんの実績にならないから気をつけようねと言われるだろう。優しいから余計に惨めになってしまう。

 しかし、今日は収穫もあった。

 他社の営業さんがいらっしゃっていたので、営業のコツというものを教授していただいたのだ。商品を比較する際はこの順番で説明すると売上につながるだとか、この方がお客様にも納得していただきやすいとか、そういうのである。

 とても勉強になる。これで私もパワーアップだ。この方も優しい方で、まあ、営業なんてそういうものではあるのだが、いろいろ教えていただいたことで次に繋げることができると思う。

 頑張るしかない。本当は労働なんか一番嫌いだけれども、お金のためである。やるしかない。

 今日頑張った自分へのご褒美に、タバコを買ってあげた。

 カプセルを潰しながら、明日も頑張ろうと言い聞かせて、死にたくなりながら換気扇を見上げると、ちょっと元気が出たような、そんな夜だった。

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