オルバ・ヴェータのエンディング
(描写)FHと戦った翌日の学校。そこでは、何も変わらない日常が繰り返されていた。──何気ない光景。あの日を境に、それはひどく崩れやすいものへと変わった。
(綾瀬)「おはよう、オルバくん。ヴェータくんも、もうこの学校には慣れた?」
(描写)綾瀬はUGNの記憶操作を受け、事件のことは何も覚えていない。〝それらしい〟記憶へと差し替えられているのだと、二人は冬海から聞いていた。自然な風体を装い、二人は挨拶を返す。
(ヴェータ)「おはよう。それなりには慣れたかと思う」
(オルバ)「おはよう、綾瀬さん」
(綾瀬)「昨日はオルバくんのおかげで助かったよ、ありがとう」
(オルバ)「昨日……」
(綾瀬)「え? ……えっと……わたしが分からないって言ってた授業の内容、丁寧に教えてくれたよね?」
(オルバ)「ああ、そのことか。お礼を言われるようなコトじゃないって」
(ヴェータ)「そこまで謙遜しなくていい」
(オルバ)「んー、そうか?」
(綾瀬)「私もそう思うよ。オルバくんの説明、するするって頭に入ってきたんだから」
(描写)ふと、綾瀬は一つの席に視線を向ける。そこは矢神がよく座っていた場所だった。
(綾瀬)「そういえば矢神くん、学校やめちゃったんだって……」
(オルバ)「それはまた急だな、挨拶とか何も無しに?」
(綾瀬)「うん、何も……」
(ヴェータ)「急を要する事情があったんだろうな」
(オルバ)「ヴェータの言う通りだ。……落ち込むなよ綾瀬さん。ホラ、そろそろ予鈴だぜ」
(綾瀬)「あ、ほんとだ! 急いで準備しなくちゃ」
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
(描写)──ほんの少し、けれども確実に変化した彼らの日常。それはこれからも続いて行く。
彼らが社会においての『裏切り者(ダブルクロス)』と成り果てる、その瞬間まで。
シナリオ『Crumble Days』
閉幕
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