世界の裏側

(ヴェータのシーンの直後)

(描写)UGN日本支部に、ルシアは緊急の呼び出しを受けた。自身の職場であるN市支部に執務室に到着すると、日本支部長・霧谷雄吾がそこにいた。側には赤茶色の髪の女性も立っている。


(霧谷)「ご足労頂きありがとうございます」


(ルシア)「お気遣い痛み入る。日本支部長、貴殿からの呼び出しとは珍しい。む……失礼だが、そちらの方は?」


(霧谷)「彼女は早蕨冬海さん、私の部下です」


(描写)名を呼ばれた女性はルシアに礼をする。ぴしりとしたその挙動に、ルシアは思わずまばたきをした。


(冬海)「お初にお目にかかります! UGN補佐官、早蕨冬海と申します!」


(ルシア)「始めまして、N市支部長のルシアだ。宜しく頼む」


(冬海)「こちらこそ、よろしくお願いいたします!」


(描写)冬海は満面の笑顔で、ルシアに差し出された手を握り返す。二人が手を離すのを見計らい、霧谷が口を開いた。


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


(霧谷)「──先程、N市でバス横転炎上事故が起こりました。ヴェータさんが別件の調査中、その現場に居合わせておりワーディングエフェクトを確認したという報告がなされています。

また、現場に急行したUGNの処理班がオルバという学生を保護しました。爆発・炎上したバスの中でも無傷……つまり、我々と同じ側(オーヴァード)です」


(ルシア)「!!」


(霧谷)「彼は現在、UGNの病院で治療を受けています」


(描写)孫であるオルバが事故に巻き込まれただけでなく、オーヴァードとして覚醒したという事実はルシアを動揺させるのに十分だった。

ルシアは音が出る程に手を握り込み、奥歯を強く噛み締めた。


(霧谷)「ルシアさん。この件はN市支部長である、あなたの管轄となります。早蕨さんを補佐として、オルバさんのケアとUGNについての説明をお願いします」


(ルシア)「言われなくとも」


(冬海)「……オルバさんと、何かあったんですか?」


(ルシア)「オルバは私の孫だ」


(描写)びりびりと執務室の空気が肌に刺さるのを、霧谷と冬美は感じていた。ルシアの怒りによって周囲に及ぶ威圧感は、およそ人の放つものではない重さと鋭さがあった。


(霧谷)「そ、それからN市では、〝ディアボロス〟春日恭二と〝シューラ・ヴァラ〟という新手のエージェントが計画に関わっているようです」


(ルシア)「ほう」


(霧谷)「シューラ・ヴァラについてですが、分かっているのはコードネームだけです。古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する英雄、ラーマが使った武器で〝鋭き投槍〟という意味です」


(ルシア)「相わかった。情報の提供、感謝する」


(描写)ルシアが頷くと、霧谷は席を立ち執務室の扉へと向かった。


(霧谷)「繰り返しになりますが、この件はあなたに一任します。……私は他の仕事がありますので、この辺りで失礼しますね。早蕨さんも、よろしくお願いします」


(冬海)「はい! 精一杯頑張ります!」


(ルシア)「相変わらず苦労が絶えんな」


(霧谷)「そうですね……。では、また後で」


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


(描写)霧谷が執務室を出る。

冬海はちらりとルシアの顔を見るが、まとう空気は未だに怒気を孕んでいる。先に口を開いたのはルシアだ。


(ルシア)「ふむ……。早蕨さん、いきなりだが名前で呼んでも構わないだろうか? 共に仕事をする仲間だからな。

私のことは名前で呼んでくれると嬉しいぞ」


(冬海)「も、勿論です、これからはルシアさんと呼ばせて頂きますね!」


(ルシア)「ありがとう。それではオルバのいる病院へ向かおうか。車は私が出すから」


(冬海)「ルシアさんが車を?」


(ルシア)「運転は得意でな、任せてくれ」


(冬海)「了解しました! 私は助手席でも良いでしょうか?」


(ルシア)「ああ。行こう」


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


(描写)ルシアは冬海と共に、N市支部を出発した。赤いテールランプが夜の闇に刹那の軌跡を残して往く。


(冬海)「ルシアさん運転荒いですね!?」


(ルシア)「急いでいるからな。はずみで舌を噛まないようにしてくれ」


(冬海)「はっはいぃ!!」



ルシア 侵蝕率1D10上昇

衝動判定〈意志〉難易度8 侵蝕率1D10上昇

冬海は一般人なので上昇しない。


ルシア→早蕨冬海にロイス「同僚 P:好奇心●/N:不安」を取得

(固定ロイスの代わり)


霧谷雄吾にロイス「日本支部長 P:誠意●/N:脅威」を取得(以前からの知り合いとする)





シーン登場侵蝕率上昇 1D10→2

衝動判定 難易度8 1D10+2>=8→5 失敗

侵蝕率増加 1d10→3 暴走付与、「憤怒」発露

※思い出の一品を忘れています

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