始まり

(描写)オルバは、学校から帰宅している最中だ。いつもより遅い時間帯になっていて、駅に着く頃にはとっくに空は濃藍色に変わっていた。


(オルバ)「……げ、電車遅延してンのかよ。ツイてねぇなぁ」


そんなときに限って、普段使っている電車は遅れていて、色々とタイミングが悪い。

溜息混じりに駅を出ると、臨時運行のバスが目に入った。行先を確認し、オルバはそれに乗ることにした。


(??)「あっ、オルバくんも帰るところ?」


(描写)バスのステップに足を踏み出すと、後ろから聞き慣れた声がした。


(オルバ)「あれ、綾瀬さん?」


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


(綾瀬)「今日はタイミング悪いみたいでさ。講義とか先生からの用事とか、色々重なっちゃって」


(描写)オルバと綾瀬は車内へと進む。車内には先客がいたため、二人は声を抑えながら話している。


(オルバ)「それは大変だったよなぁ、お疲れ様」


(綾瀬)「ありがとう。この時間に帰ってるってことは、オルバくんもそうなの?」


(オルバ)「俺は課題進めててさ、気付いたらこの時間だったんだ。はは、集中するッてのもちょっと考え物だよな」


(綾瀬)「確かに。お互い、ついてないね」


(描写)そう言って二人は小さく苦笑を浮かべた。後ろ側の席が空いていたため、そこへと向かう。


(綾瀬)「となり、座っていい? 混んでるみたいだし」


(オルバ)「勿論良いぜ。あ、窓側にするか? それとも通路側?」


(綾瀬)「じゃあ窓側にしようかな、ありがとう」


(オルバ)「どういたしまして」


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


(描写)席につき、少し経つとバスが動き出した。夜の街の景色が車窓に写っては過ぎていく。

黙っているのも気まずいのだろう、二人はぽつぽつと話を続けていた。


(綾瀬)「あ、あの、聞いていいかな? オルバくんって……好きな人とかいるの?」


(オルバ)「ん? いや、俺は」


(描写)オルバが答えようとしたその時、大きな衝撃が襲う。


(オルバ)「ッ……!?」


(綾瀬)「なっ、何──」


(描写)ぐわんと宙に浮いたバスは轟音と共に横転し、爆発を起こした。衝撃に骨が軋み、轟々と燃え盛るその熱が肉を焦がしていく。

猛る炎の中、オルバはその意識を手離した。





オルバ→綾瀬真花にロイス「友人 P:好意●/N:無関心」を取得。(固定ロイスの代わり)

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