第2話、僕が愛した世界
僕たち小説家は時々ボケーっとしながら小説に関係した世界を想像してしまうことがある、
「我はこの世界を闇より支配する悪魔の帝王、今よりこの世界を地獄の業火で焼け野原へと変えてやろう」
僕は足を揃えて腕を広げそして顔を少し傾けてそう言った、
「何?やってんの?翔?」
「新しい小説に出すかもしれないキャラのなりきり」
「うわ〜」
高校の昼休み、屋上で僕が叫んだことは彼には理解できなかったようだ、訳一年前、彼は僕にこう言ったんだ、
高校入って初めの頃に僕が屋上に行ったら、彼はそこに居た、
「お?こんちは、お前名前は?俺は、広瀬 一樹(ヒロセ カズキ)よろしくな、」
僕は突然屋上に行ったら、明るい声でそう言われた少し僕はたじろいだが、ちゃんと答えた、
「ぼ、僕は、節也 翔、よ、よろしく」
もしこの時無視していたら彼と友達にはなれなかったろう、
そこからだ、僕に高校初めて友達ができた、一緒にストモンのマルチをしたり、夏にはプールに行ったり、学校で一緒に話したり、
彼が居なかったら僕はきっと、本気で高校を辞めたいと思っていたかもしれない、彼は僕にとって恩人であり一番の友達だ、しかし僕と彼の付き合いが半年経った頃、一度だけ少しだけ大きな喧嘩をしたことがあるんだ、
僕が学校の図書館で小説のネタを考えていた時のこと、
「『我はこの世界を支配する魔王なり』いや『私こそこの世界を救う勇者だ』う〜ん」
この時僕は魔王と勇者の物語を想像しようとした、この2人が中心となる世界を想像していた、ちょうどだ、その時彼は僕の琴線に触れることを言ってきた。
「なあ、翔、何ぶつぶつ言ってんだ?また小説のやつか、あんまりぶつぶつ言うと厨二病みたいだぞ」
そう、この一言、この一言で俺がこいつを怒らせてしまった、
何気ない一言だった、そんなにふかく思わせることになるとは、
あの時あいつは俺にこう言ってきた、『は?』たった一言、たった一言で俺はあいつと喧嘩した、この一言は俺の心にもくるものがあった、言い争いをするよりも辛かった、
翔が『は?』っと言った時俺は怖かった、翔と喧嘩したことなんてないし、こいつはこんなふうに怒るのかよと、すぐに謝ればよかった、
でも、できなかった、俺はまだ半年も一緒にいないが翔が小説をどれだけ好きか知っていたのに、
その日はそのまま時間が経ち、俺もあいつも一回の話すことがなかった。
その日の夕食、僕は母にそのことを話した、
「フン、あはははははは、おかしい、そんなことで」
母はその話を聞いて笑った、まるでおとぎ話を聞いているかのように、
「なんだよ、何がおかしいの」
「だって想像してみてよ、翔が『は?』って言った時一樹君がどんな気持ちでどんな顔だったか」
僕はそれを聞いて少し、いや、すごく悲しい気持ちになった、幼稚な気持ちだが本当に悲しい気持ちになった、
そうだよ、別に怒るような事じゃ何のに、どうしてあの時僕は、、、その時僕の小説は手応えを感じていた、初めて評価が100になったから浮かれていたんだ、
その直後だったから、タイミングが悪かった、
厨二病みたいだよと言われたからなんだ、別に一樹は僕がぶつぶつ言っているのをただオブラートに注意しようとしただけだ、僕が悪かった、明日話しかけよう、そして謝ろう、その時はそう思った、
次の日、僕は謝ろうと思った、でも一樹は休み時間になっても僕に話しかけてはくれなかった、
「かず、」
そう一樹を呼ぼうとしたのを僕は止めた、一樹には僕のほかにたくさん友達がいた、その子たちと話していた、
あれ?僕今までどうやって一樹と話してたっけ?いつも一樹の方から話しかけてくれてたから、僕は今日、一樹に話しかけることができなかった。
明日明日、必ず話しかけよう、そして翔に謝ろう、そう決めて俺は今日学校に来たはずだ、なんで、俺はこんなに、勇気が出ないんだ、
そんなことを思っていた時だった、耳を傾けていた方から微かに聞こえてきた、『かず』
「今!」
「?どうした、一樹?」
「?なんだ宿題忘れたのか?」
今確かに聞こえたはずだ、確かにあいつが今、俺を呼んでくれた、、、
でも翔は机で小説を呼んでいた、ただひたすら、同じところを、
「あ、しょ、しょう、」
俺が翔に話しかけようとした時、チャイムがなった、
「あ、あ、あ、」
「はーい席に着け」
教師のその声のせいで俺はその日、翔に話しかけることはできなかった、
教師の注意がかかりそのまま授業が始まってしまった、
「ク、クソ」
早くしないと、もう、元通りには戻らなくなる。
僕はこの期間全く小説を進めることができず、pvが減っていく恐怖を感じたが、それより、もっと深い恐怖を僕は感じ取った、
喧嘩して三日目、その日も僕と一樹はなかなか話ことができなかった、休み時間のたびに、話そう、話しかけよう、僕から、俺から、
でも、それは叶わずに、目が合うことはあるが、どちらも話しかけることはできずに、6時間目まで時間は過ぎていった、
僕って、一樹のおかげで気づかずにいられたけど、一樹が居なかったら、僕学校で1人なんだ、、、僕は昼休みの弁当を1人で食べている時、どうしよもない喪失感に襲われた、
「あ〜、泣けてくるな〜、クソ、クッソ寂しいじゃん」
僕はそう言いながら母が作った弁当を涙を堪えながら食べていた。
「おい、一樹今日は俺たちと食べるだろ?」
「お!一緒に食べようぜ、一樹」
「あ、でも、、、」
一樹は翔に昼誘おうと昨日も思っていた、でもあの時もこの2人に誘われて翔を誘えなかった、だから、言うんだ勇気を出すんだ、まず今日の昼は翔と食べるから、
「す、すまん、今日は!」
気づいた時には翔はもう、教室から出ていた、
「あ、、、」
ク、、、俺のクソやろう。
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