☆地球の未来☆
雲ひとつ無い晴天
誰もが無意識に青空を見上げてしまう
なんて清々しい
空を見上げたまま目を閉じ、深呼吸して再び目を開ける
それは、その一瞬で現れた
「ん?なにあれ?UFO?」
思わず二度見してしまうほど鮮明に見える
誰もがテレビや動画で見たような、円盤の形をしたUFO
もう、この時点で未確認ではないような気がするが、とにかくUFOのようだ
それに気付いたのは一人だけではなく
かなりの人数が目撃していた
一定の時間、空中に停止していたUFOは、黒い大きな四角い物を地上に落とす
その頃には、テレビ局も駆けつけ、その様子は全世界に生中継されていた
「只今UFOから、黒い大きな箱のような物が投下されました!
果たしてあの箱のようなものは何なのでしょうか!
友好的なのか好戦的なのかも分からない今、あの黒い大きな箱の正体は、謎に包まれています!」
レポーターも少し興奮気味で中継しているようだ
更にこの頃には、軍隊や国の調査機関も到着していた
「即座に攻撃するべきだ!」
「友好関係を気づくためのプレゼントではないか?」
「地球を滅ぼす為の爆弾かもしれない」
それぞれ思いのままに意見を言うが、現段階では攻撃は受けてないし、正体も分からない
「まずは、あの黒い箱を調査すべきだ!」
一人の科学者がそう言うと、みんなそれに賛成した
爆発する可能性も考えられるので、まずは軍隊で使われている爆弾処理ロボットが出動する
ロボットのカメラ映像を見ながら、慎重に黒い物体に近づいて行った
「今のところ異常はありません」
そのままロボットは物体の周りを1周する
「物体の横に赤いボタンがありました
その他は特に異常はありません
赤外線でも異常は無く、放射線なども出していないようです」
「赤いボタンか・・・」
科学者が腕を組みながらそう呟いた
余りにも、あからさまな赤いボタン
「これは罠かもしれない
もう少し調査を進めながら、人々の避難を優先させよう」
かくして、黒い物体の徹底的な調査が始まった
世界中の科学者や研究者が集まり、あの手この手で調査する
しかし、どんなに調査をしても赤いボタン以外の怪しい点は見当たらない
唯一判明した事といえば、この黒い箱は核爆弾でも壊れないほど、頑丈に作られてるということだ
「うーむ、どうしたものか・・・」
策が無くなった今、誰もが赤いボタンを押すしかないと思った
周辺住民の避難も完了している
赤いボタンを押して、仮に爆発したとしても、最小限の被害で済むように徹底して準備したのだ
全世界の人々が注目する中、爆弾処理ロボットが黒い物体に近づく
「只今ロボットが黒い物体に近づきました!
これから、赤いボタンを押す模様です!
何が起こるのか、それとも何も起こらないのか!
全世界が注目しています!」
黒い物体に近づいたロボットは、慎重にアームを動かし、赤いボタンを押した
押したと同時に、黒い物体は折り畳まれ
中からは何かゴミの様なものが現れた
相当な量である
即座に科学者や研究者がくまなく調査をするが、どんなに調べても、普通のゴミ以外の何者でもないのだ
全世界の人々は呆気にとられた
「なんだ、只のゴミか・・・」
「期待して損した」
「もっと凄いものが出るかと思ったよ」
傍観者の人々は口々にそう言う
数日間はこの話題で持ちきりであったが、人々が今回の出来事を話さなくなるのには、そう時間は掛からなかった
UFOが来る前の、変わらない日常が戻る・・・
・・・
・・・
・・・
訳がなかった
再びあのUFOがやって来たのだ
しかも今度は1台じゃなく、数千、いや数万のUFOがやって来たのだ
UFOはあの時の黒い物体を投下すると、宇宙へ戻って行く
次の日も、また次の日も
「このままでは、地球がゴミで埋まってしまうぞ!」
誰かがそう叫ぶと、隣に座っていた老人が笑いながら呟いた
「そんなに悲観する事ではなかろう
遅かれ早かれ、人類は自分達が出したゴミで地球を埋め尽くす
時間を掛けてゆっくりと埋もれるより、ひとおもいに埋もれた方が幸せじゃろうて」
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