☆優秀なボディーガード☆

世界ナンバーワンの麻薬王


何処に移動するにも、麻薬王の周囲には複数のボディーガードが付いている


麻薬王たるもの、どこで命を狙われるか、わからないのである


今まで、麻薬王の命を守るために、何人ものボディーガードが命を落とし、殉職していった


それでも、給料が高いせいか、次から次へとボディーガードはやってくる


その中で、ひときは腕のたつボディーガードが居た


取引を終えた麻薬王が帰る途中、脇から飛び出してきたトラックが麻薬王の車を目掛けて突っ込んでくる


しかし、人並み外れた反射神経で車を操り、間一髪でトラックをかわし、麻薬王を助ける事が出来た


更に他の日には、麻薬王の取引の最中、向かいのビルのスナイパーを見つけ出し、捕まえたり


はたまた、車に仕掛けてあった爆弾を発見し、それすらも解体してしまうという才能の持ち主


この優秀なボディーガードは、他のボディーガードからも一目置かれていた


ある日、麻薬王は優秀なボディーガードを部屋に呼んだ


「お前の活躍は素晴らしいものだ、褒美として何か与えたいと思う

金は腐るほどあるから、遠慮せずに欲しいものを言ってみろ

車か?家か?船か?飛行機か?何でもいいぞ」


「気持ちは有り難いのですが、私の欲しいものはお金では買えません」


「人脈だってあるぞ!それ相応の地位や権力も手に入れる事が出来る」


「人脈があっても無理なんです」


「じゃあ、一体何が欲しいのだ?」


「麻薬王、あなたの命が欲しいです」


麻薬王は少し険しい表情で聞き返す


「それは、笑えない冗談だぞ」


「冗談ではありません、私は殺し屋なんです

だからあなたの命を頂きます」


「何回も俺のピンチを助けてくれたお前が、どうしてそんな事を言っているのか理解ができん」


「そんなのは、簡単な事です

他の殺し屋があなたを殺してしまうと、私に報酬が入らなくなってしまうのです」

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