繋がり

篝火

過去

あれは、何年前だろうか?

もしかしたら、何ヵ月前だったかもしれない?

あの夏の日、その女と出会った…。


いきなり走ってブツかってきたため、注意してなくそのまま、軽い段差の下へと2人で落ちる事になった…。

ソコまでは良い、いや良くないけど…落ちた拍子に私は女に唇を奪われた…初めてのkissが血の味だった事実に嘆きたい気分になった。


彼女は彼氏らしき人と、をしていたみたいだった。

確かにココは、人が少ない場所で夕日が綺麗に見えるスポットなので、陽キャの人たちは魔法に掛けられたように各々おのおののシチュエーションを楽しむ人はたまに見かける…見かけるが、追いかけっこは今までで初めて見たシチュエーションだよ!


そして、私のファーストキスを奪ったその女は、眼球が飛び出るのではないかと云わんばかりに見開いて、見つめてきた。

訂正、たぶん私も同じ顔をしてたと思う…。


それからどのくらいの時間が過ぎたかわからないが、彼氏らしき人が助けてくれた。

彼氏らしき人には謝られたが、その女はまばたき1つしずに見つめてきた。


だが、その気持ちはわかる…その女は、今の私となんだと思うからだ。

そう、女同士でキスをしてしまった、衝撃はなかなかのモノだ…。


---------------------------


それが、今では私の隣で腕を組ながら一緒に街を探索する関係になってしまい、時々あの頃の話しをして懐かしむ関係になり、することになった…。


「ねぇ、初めて合った思い出の場所あそこに行こ?」

「え~、なんでよ?」

「それは、内緒!」

「…わかったわよ…。」

不貞腐れる姿もカワイイのだが、たぶん…。


そして私たちは、その場所に来ていた。

夕日を眺めながらの肩に手を回した。

「やっぱり、この景色は綺麗だね。」

「それは、ウチよりも?」

「キミの方が綺麗だよ。」

「にゅフフ!」


そして、どちらからともなく、顔を寄せ、お互いに目を閉じるのであった。

これは、関係が変わってからの最初のkissーーそれは、幸福の味がしたのであった。


                (完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

繋がり 篝火 @ezweb

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ