10月10日火曜日 10:00

 地球が滅びる前に何をしたら良いか。

考えながら朝食をとっていたら、時計の長針が1番上を短針が10の数字を指していることに気がついた。



 これは本当にまずい、とりあえず最後に家族の声が聞きたくなったからスマホで電話をかける。


 ツーツーと着信音がスマホから聞こえるが、家族が電話は出る気配は一向にない。おそらく、みんな俺と同じ考えになって電話をかけてるからうまく電波が届かないのだろう。




 電話が切れたあと、電話帳の画面のある人物に自然と目が止まった。




画面には

『大空 小夏』

と映されていた。





それを見て俺は一つの考えが、頭の中にやってきた。





———どうせ今日で地球が終わるなら、小夏に告白しよう。



 別に告白が成功するとは微塵も思ってはいない。ただ、こっぴどく振られたとしてもこのままあいつに思いを伝えられないまま死ぬのは絶対に嫌だ。





そう思った俺は急いで外に駆け出した。



空は俺たち人間のことを嘲笑うかのような曇天が一面に広がっていた。




 外には全てを諦めたかのようにトボトボと歩いてるサラリーマン、頭がおかしくなったのか奇声を上げながら全速力で走る人など皆、それぞれ違うことをして、地球の終わりを迎えようとしていた。




 そうだ、俺はこんな人たちを見るために外に出たんじゃない。早く小夏の家に行かないと。




 悠冬は小夏の家に向かって全力で走り出した。



 道の先のアスファルトはゆらゆらと不気味なくらい陽炎が揺らいでいた。

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