歴史総合物語

中野ギュメ

歴史総合物語用語集

兵器


・人間

 学名は『Ferrum sapiens』(ラテン語で『賢い鉄』の意味)。

 鉄機文明の担い手である為、絶滅してしまった他の種類の人間達と区別する時は『鉄機人』という呼称が使用されるが特に説明が無い場合『人間』は現存種である『Ferrum sapiens』を指す。

 人間の歴史は他の人間を絶滅させる歴史であったと言われており、打製石機人は磨製石機人によって滅ぼされ、磨製石機人は青銅機人に滅ぼされ、そして青銅機人は現存種である鉄機人に滅ぼされた。


・動物(羅: ferrumalia、英: ferrumal)

有機化合物で構成されている植物とは異なり現在地球上に存在する全ての動物の身体は鉄機化合物で構成されているが、鉄機文明以前には石機化合物、青銅機化合物で構成された身体を持つ動物も存在した。

 生物学者達の中には過去には植物同様に有機化合物で構成された動物も存在したと主張する者達が居るが、有機化合物の強度では一定以上の大きさの動物の身体強度が不足する事を解消出来ない為もし存在したとしても小さい動物のみにとどまり異種材質動物との生存競争に敗北して絶滅した、等の否定的な意見が多い。

 過去の地層からは石機動物の死体と思われる化石が多数発見されており、有機動物存在説を主張する学者達はこれを有機動物の死体が長い時間をかけて石化したものである、と主張しているがこれを支持する者達は少ない。


・鉄機

 鉄で出来た巨大人型機械兵器。一般的な全高は5メートル位。

 起源は紀元前のヒッタイトまで遡る。紀元前1200年のカタストロフでヒッタイトが滅亡した事で鉄機の製造法がオリエント(愛知県、滋賀県南部、兵庫県南部、大阪府、九州北部)全域に流出した。これによりそれまでの青銅機時代は終焉を迎え諸国家は鉄機時代に突入する。

 大きく分けて性能よりも生産性を重視した普及型の『数打』と生産性を度外視し性能を追求した『真打』の二種類があるが、これらは後世の研究者達による分類であり当時の人々は厳密にこれらの定義を使い分けていたわけではない。また、あまり使われないが真打を作る過程で生まれた規格外品という意味の『影打』という分類もある。

 数打の場合は再設計される事は多数あるが名前が大きく変わる事はあまりなく大体の場合は所属勢力の指導者の就任時に再設計されその時の西暦から◯◯◯◯式(鉄機名)と名付けられる。

例:1153年に平忠盛死去により平清盛が平家の棟梁になり再設計された新型コガラスヅクリの場合は『一一五三式コガラスヅクリ』。


・エクスカリバー

 5世紀頃のイギリスに実在されたとされる伝説的な人物、アーサー王が搭乗していたとされる真打鉄機。12世紀後半のイングランド国王リチャード1世が自分専用に作らせた鉄機にエクスカリバーと命名する程、中世でも有名であったとされる。

 ただし1190年にアーサー王の墓からエクスカリバーが出土した記録が残されている為、リチャード1世が搭乗していた鉄機も正真正銘アーサー王のエクスカリバーと同一だったという説がある。


・キリチ

 主にマムルーク達が使う数打鉄機。鉄馬に乗って集団で弓矢で攻撃する弓騎兵戦術用に設計されている為、下馬してからの白兵戦には本来不向き。



・コガラスヅクリ

 平家が大量生産している数打鉄機。平家の家宝である真打鉄機の『コガラスマル』を元に生産性を高める再設計をして完成した鉄機。性能は下がっているが元になったコガラスマルの性能自体が優秀である為何度も再設計されて長く使われている。

 平家の棟梁がかわる度に再設計されており、旧型のコガラスヅクリは平家の家人等の平家ではないが平家に従う者達に払い下げられている。1180年時点での平家正規軍の現行主力機は『一一五三式コガラスヅクリ』。


・シシオウ

 源頼政専用鉄機。他の標準的な鉄機達より大きく全高は6メートルに達する。

 近衛天皇の時代に頼政が御所の庭に出現した妖怪『鵺』を退治した事により朝廷から下賜された。

 朝廷製である為搭乗者の安全性が重視されており防衛戦に向いている。

 巨大な弓を主力武器としているが接近された時の迎撃用に頭部に大口径機関砲を搭載しており、その直撃を受ければ鉄馬であっても鉄屑になる。


・シノギヅクリ

 非平家勢力の武士達が多く採用している数打鉄機。町工場程度の技術力でも生産可能であるのが利点であり多数の勢力が採用している。平家の主力鉄機であるコガラスヅクリが高性能鉄機であるコガラスマルの性能を可能な限り維持しようとした結果あまり余裕が無い設計になったのに対してシノギヅクリは生産性第一になっているので改造も非常に容易。

 多数の勢力がコピーしまくっている為原型になった鉄機がどれなのか辿るのは後世の研究者達にも不可能となっている。


・ナギナタ

 僧兵達が多く使う数打鉄機。一般的な鉄機よりも大型で全高は5メートル後半。長刀を主な武器としており重装甲のパワータイプ。僧兵達は敵に攻め入るよりは寺院の防衛戦が多い為このような仕様の鉄機になった。


・バルバロッサ

 神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ1世専用真打鉄機。

 イングランドでは『レッドドール』と呼ばれており、頭部に髭のような突起が付いているのが特徴の赤い鉄機。

 搭乗者をナノマシンで強化改造する機能が付いており、この点は平家のコガラスマルとの類似していると指摘されている。


・ヒゲキリ

 源頼朝専用の真打鉄機。河内源氏に代々伝わる高性能鉄機。頼朝挙兵の時点で製造から既に200年近くが経過しているがその他の真打鉄機同様にその性能は現代でも通用する程に高い。

 

・鉄馬

 鉄機に機動力向上の為に開発された巨大馬型機械兵器。

 人間による操縦が不要であり、更に鉄機を乗せて高速で走る事が可能なパワーを持つ等、極めて優れた兵器。その為、モンゴル高原(長野県)の遊牧民族は騎馬鉄機隊を軍の主力にして、何度も中華地方(関東地方)の諸王朝を侵略した。

 また鉄馬は人型に変形する事も可能だが、人間による指示が無いと一部の名馬以外は自分で判断して戦う事がほぼ不可能な為その高い性能に反して鉄馬のみで構成された部隊は古今東西存在しない。


・コノシタ

 源頼政の長女である源仲綱の鉄馬。平宗盛に奪われたが以仁王の挙兵直前に仲綱が奪還した。

 一般的な鉄馬よりも大型であり性能も高い。簡単な命令で自動で敵と戦ってくれる為、仲綱は鉄機との合体よりもコノシタを人型に変形させて敵と戦わせる戦法を好んでいた。


・モチヅキ

 平清盛専用鉄馬。黒くて大型の馬体が特徴。

 関東八カ国の技術者達を集めて大庭景親が神奈川県で作らせたハイエンドモデル。


・オーバードブースト

 一部の鉄馬に搭載されている大出力推進装置。

 一説によるとユーラシア大陸の遊牧民族達が起源とされている。


人物


・源頼政

 平安時代末期の武将。清和源氏の中では珍しく保元の乱と平治の乱の両方で勝者の側に属していた為、平家政権下で出世した。

 頼政は源氏の長老として平清盛の信頼を得ており、その証拠に清盛からの推挙で武士としては破格の従三位に昇叙し、公卿になった。

 その為、いくら皇族である以仁王に頼まれたからといって恩義があったはずの清盛に弓を引くのは不自然であり、以仁王の挙兵に参加した理由は現代でも謎とされている。

 武勇に優れており、御所に出現した妖怪『鵺』を討伐した功により朝廷から専用鉄機『シシオウ』を与えられた。


地名


都道府県


・北海道

 北アメリカ大陸。16世紀に本州の北部に巨大な島があるという噂を信じた中国地方のキリスト教諸国家が大規模艦隊を派遣し占領した。


・青森県

 東部がロシア連邦カムチャツカ州。

 西部がロシア連邦チュクチ自治管区。


・岩手県

 ロシア連邦マガダン州


・愛知県

 東部(三河国)はイラン。

 西部(尾張国)はイラク。


・静岡県

 伊豆半島(伊豆国)はインド亜大陸。


・京都府

 北部はロシア連邦。

 南部はアゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア。


その他


・メルカリ

 東京都港区に本社を奥日本の企業、及びそれが運営するフリーマーケットアプリケーション。

 源頼朝は挙兵前までこのアプリケーションで買い占めた商品を転売していたが、これは軍資金の確保を目的としたものではなく平家に対する嫌がらせであったとするのが通説。

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