カウントダウンは突然に[オムニバス]
結音(Yuine)
レモンの味を知りたくて
初めてのキスは、レモンの味がする って、誰かが言っていた。
それは、中学生の時。
互いの部活を終えて待ち合わせる いつもの放課後。
並んで歩く。
少しでも一緒にいたくって。
少しだけ遠回りして帰って。
寄り道した 公園。
傾く夕陽。
キミとのおしゃべりは楽しくて。
はなれがたくて
わかれがたくて
帰りたくなくて
キミの瞳を見た。
遠ざかる笑い声。
その時
ボクは
何を話していたのか覚えていない。
急に 周りの喧騒が聞こえなくなったんだ。
突然、魔法にかかったみたいに。
キミの瞳に ひきよせられて
キミが閉じた目を 肯定とみなし
ボクは そっと キミに近づく。
あまりに一瞬の出来事で
レモンの味も覚えていない。
けれども、
ボクたちにとっては、
永遠にも覚える一瞬だった……
キミは、覚えている?
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