ブレイクマン

ブレイクマン

第1話 不幸中の幸い?

俺は両親の顔も知らない、孤児院で育ったから。でも不幸だとも思わない。不幸って感じるのは、ある程度幸せを味わった奴の持つ感情なんだと思う。


俺は孤児院でも浮いてたというか、人と関わろうと思えなかったし、実際先生からも煙たがられてた。その所為か知らねーが、俺だけ学校に通わせて貰えなくて、生活保護で生きていけと追い出された感じだ。


「レイ君〜、今月もお金無くなっちゃったの?何にそんな使ってるんだ?」


俺はレイ、今月分のお金使っちゃって生活出来ないから役所に来ているところだ。


「家賃ー、電気代、水道代、あと飯代っす」


「確かにこのご時世、何もかもが物価高騰して高いけどね〜、それで生活してる人もいるから言い訳にはならないよ。次また同じ事で前借りしたら保護も停止するからね!」


「......その時は俺に働けって事っすか?俺にも出来そうな仕事なんてあるんスかね?」


「えー?君は目つきも悪いし常識もないからねー、それに髪の毛も...」


「だからこれは地毛ですって!」


俺は生まれつき金髪だ。ちなみに床屋代浮かせるのに半年に一回自分で切ってる。


「だったら黒染めするのが常識だよ。16歳だからって優しい目で見てくれる社会じゃないんだよ〜、学もない常識もない君を社会は受け入れない。あ!エクソシストなら受け入れてくれるかもね」


「映画で見たな〜、悪魔祓いっスよね?」


「プッ!映画はフィクションだよ!実際は悪魔と戦って勝つか死ぬかさ。まぁ君がその仕事してくれたら、どう転んでも僕は嬉しいかな?」


俺は理解出来ずに聞いた。


「何でっすか?」


「んん?それは〜そうねぇ...面倒見てた子が、立派に社会貢献出来るから、だよ、フフッ」


俺は言葉に似合わない不敵な笑みに疑問を感じた。


「まぁそれはそうと、はい前借り分の1万円、これで後20日頑張ってね。お疲れさん」


「あざーす!」


俺は役所を後にした。役所から帰宅中スーパーに寄って、食パンとピーナッツジャム、犬用の飯と天然水を買った。家の玄関の前にいつもの様に真っ白の犬がいる。


「よーポンタ、今日はいつもより良い飯買ってきてやったぜ。それに富士山の天然水?だ!」


「ワンワン!ワフ!」


ムシャムシャと食べているポンタを撫でながら俺は考えていた。


「(俺がエクソシストになって金稼いだら保護が打ち切りになるけど、もっと多くの金が入ってきたら、もっと良い暮らしが出来んじゃねーか?拾って来た泥棒退治用のハンマーもあるし!そしたらポンタに三食食わせてやれて、俺も美味い飯食えて最高なんじゃねー?!)」


俺は勢いよく立ち上がるとポンタに言った。


「ポンタ!サイコーな人生になるかもしれねーぞ!期待してろよな!」


「クゥーン?」


「作戦決行は今日の深夜!あの心霊スポットだ!」


レイは何やら作戦があるらしいが......

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