第170話 強化イベントハブられました(2回目)

 あの、白さんの変身前の姿が全国に拡散されたグループデートはその後拍子抜けするぐらい何事もなく終わりまして。

 楽しい思い出と沢山の私物を手に入れた3人娘は喜んで魔生対の宿舎に用意された自室へと帰っていきました。

 まあ、私の方も傷は魔力で修復出来るぞんびぼでーの便利機能を使って傷を治してしまったので何も問題はありません。

 白さんは……、流石にザマさんから直々のお呼び出しが入りまして、多分現在お説教タイムです。

 まあ、ザマさんも悪いようにはしないって宣言してたので一通りお小言を言い終わったら開放されると思います。


 で、……で、ですね?

 魔生対に居るときは普通だったんですけど、今日は魔生対に泊まり込みで何かやることがあるというリトヴィンツェヴァ姉妹と雛ちゃんを残して水流崎家へ帰宅したわけなんですが……。

 「あの、理珠さん?食事をぜんぶあーんで行うのは流石に効率が悪いと言うか、冷めちゃうと言うか……」

 「はい、あーん」

 「……あーん」

 ……一時が万事こんな感じで、理珠さんがくっついて離れなくなりました。

 いや、いつもそうじゃん?って話もありますが今回は圧が強いと言うかなんというか。

 トイレ以外全ての場面で左手に理珠さんが絡まった状態で日常生活が進行していくというちょっとだけ異常事態となってましてですね?

 とは言え、後は寝るだけなので此処から先は普段通りにしかならないんですけどね。

 なんか、詳細はまだ確認してないんですがデート中にも魔物が出てたとかいう話ですし、そこでなんかあったんですかね?

 まあ、ここまで理珠さんが甘えてくることはなかなか無い事ですので珍しい理珠さんが見られてお得だったと思っておきましょう。

 さて、それでは理珠さん、おやすみなさ……アッー!


 ……晩ごはんはあーんでしか食べてくれなかったのに、私の身体はかぶりつきで骨までしゃぶられました、おはようございます。

 あの、ぞんびぼでーの治癒能力に魔力を回してもまだ腰に力が入らないんですが?なんかこれバグったりしてませんかね?

 まあ、はい。

 気を失うように眠って目覚めてぺけったーを開いたことでようやく理珠さんがああなってた理由を把握しました。

 嫉妬ですか?嫉妬ですよね?思い返してみると表情が割と必死だった気がします。

 うわっ!私の彼女さん可愛すぎませんか!?

 ……なお、可愛すぎると表現した相手からめちゃめちゃに攻められて最終的に失神したのは考えないこととします。

 「優希さんの反応が可愛らしすぎるせいなのですよ?わたくしの想い全て、受け止めてくださいませ?」

 なんて起き抜けに抱きしめられながら言われたら許さないわけに行かないじゃないですか!

 ……チョロくないですよ!?


  んで、昨晩のアレの関係で久々に朝練をサボった理珠さんとおふとんでだらけていた所、メッセージアプリに雛ちゃんからの伝言が届いていたことに気が付きました。

 『キョウカアイテムカ'' カンセイシタ!タタ''チニ ソウヒ'' シタマエ!!』

 と。

 ……これ、文面考えたの絶対雛ちゃんじゃないですよね?世代が違いすぎますもんね。

 というか、岩男2ネタなんて私とザマさんしか知らなそうなんですが?

 でもザマさんのネタのチョイスじゃないんですよねぇこれ。

 ……というか待ってください!

 強化アイテム!?


 はい、という事でシャワーを浴びて色々流してキレイになった私達は魔生対の雛ちゃんの研究室へとやってきました。

 中からは何か歯医者でよく聞くきゅいーん音が鳴ってて微妙に入りづらい雰囲気を醸し出している気がしないでもないです。

 「お、おじゃましまーす……」

 「お邪魔いたしますね」

 で、地味に未だに左腕から剥がれない理珠さんを引き連れて雛ちゃんの研究室まきょうへと足を踏み入れたわけですが……。

 「ふ、生半可な魔法少女には真似できない精密加工!さすが義肢の魔法少女は格が違った!」

 「えっと、腕をかんそーすればエラにも出来るよ!」

 「ボディが完全にメカ担ってる魔法少女を比較対象に出してくるとか、あもりにも卑怯すぐるでしょう!?」

 と、大混乱状態でした。

 

 えーっと?

 状況としてはなんでしょう?なんかの金属製の小さな輪っかに九條さんが右手を精密機械加工用のロボットアームに変化させ、集中するためにテンションを上げながらチュインチュインやってる感じのところにエラさんがツッコミを入れてる……みたいな状況ですね。

 しかし、義肢の根源でロボットアームをコピーしてくるのはなかなか面白い使い方です。……というか、この子も戦闘一辺倒じゃなかったんですね。うーん私の脳筋疑惑が更に深まってしまった感。多分不具合だと思うので運営は修正して?

 まあ、運営に当たるのがシアちゃんなので修正パッチとか絶対無理ですよね……。


 それはそれとして、雛わんこは部屋の主なので居るのが当然なんですが、ミラさんエラさん九條さん、そして今到着した私と理珠さんと……。この部屋の人口密度高すぎじゃないですか?

 なお、肝心の雛わんこはミラさんと一緒にソファーの上で夢の中です。

 まあ、2人寝っ転がるにはスペースが狭すぎたのか二人して座ったまま肩を寄せ合って背もたれに頭を乗せて大口開けての寝姿ですが。

 それやると口の中乾くんであんまり良くないですよ?

 

 とりあえず、ちょっと音を大きめに立てて扉を閉じることで到着したのをアピールします。

 すると、雛ちゃんの鼻がひくひくと動いたかと思うとのっそりと身を起こしました。 

 「セヴンスさんのにおひがする……」

 ……犬かな?

 いや、あくまでわんこ呼称は概念であって能力的な犬要素とかは無かったはずですが……。博士、コレは一体……?

 まあ、雛ちゃんは割と不思議生物なので深く考えたら負けです多分。

 人のことが言えない?何のことやら。

 ……というか、私の匂いってなんですか?

 あと、扉を締めた音に対して他のメンバーは反応すらしてません。

 集中力すごいですね?


 「あ、やっぱりセヴンスさん来てた。これつけて?」

 目が覚めた雛わんこが差し出してきたのはゴツめの黒い指輪3本。サイズ的に人差し指中指薬指用ですかね?

 ちらっと今もチュインチュインやってる九條さんの方を見ましたが同じ様な指輪を作成中の様子でした。

 んー、これが強化アイテムとして指輪4本……。

 私と理珠さんとミラさんと雛わんこの分で4本ですかね?

 あれ?待ってください。

 指輪の数え方ってそもそも「本」で良いんでしたっけ?「個」?

 あ、ごく一部の「枚」の人の意見は聞いてないです。カード引きすぎ罪で逮捕されて、どうぞ。

 ……ええい、数え方なんてわかればなんでも良いんですよ!

 コンビニでお箸1本くださいって言われて、割り箸を割って1本だけ渡す店員さんなんて居ませんよね?一緒ですよ!


 とりあえず、雛ちゃん言われるがまま指輪を3本の指に装着します。

 嵌めるじゃなくて装着って言いたくなるデザインなのは何なんでしょうね?

 「これは仮想の根源核で、共有時のみ短時間だけ二重になる。……だけど、ごめんなさい。自分のは増やせないみたい」

 あ、久々の雛ちゃん語ですね。最近割と意味が通じるようになってきて安心してたんですがこういう自分の研究発表的な場面だと戻っちゃうんでしょうか。

 えっと、多分ですがこの指輪に魔力を流すことで短時間だけ根源の核として扱えるようになる感じ……ですかね?

 あ、共有時のみって事は私と理珠さんとかで根源を共有してる間じゃないと使えなかったりする感じでしょうか。

 ……いや待ってください。最後に何か聴き逃がせないこと言ってませんでした!?


 「あの、雛ちゃん?自分のは増やせないって事なんですが、もしかして今回の強化って私は……」

 「ごめんなさい。セヴンスさんのを使って強化するから、セヴンスさんは、その、無理……」

 2連続強化イベントから取り残されるとか、ちょっと酷すぎません!?

 「セヴンスさんはこいびとが増えるたびに強化されるんだから、エラは別にいいと思うなー?」

 装備が増える度に強化されていくエラさんに言われる筋合いは一切ありませんからね!?


 

☆★☆★☆★☆



強化イベント回……の、前フリ回。

理珠さんが存在感をあっぴるしてきたせいで名前のお披露目まで行けなかった不具合がありますが可愛かったので良しとしてください。


指輪が4つ、理珠さんミラさん雛わんこで残り1つは誰が使うんでしょうね?

そういえば、今期やたらと出番が増えた子が一人居ますね。


次回は強化形態お披露目回ですね。

前回は雛わんこがその役目でしたが、今回は誰が担当するのでしょうか。

更新予定は12月16日22時の予定です。

あと、可能ならその、作品の拡散とかしていただけるとその、ありがたいです。

最近急に作品ひょろわーが伸びなくなってきてまして、はい。

どうかよろしくお願いします。

応援のメッセージの次ぐらいにはふょろわーと星の数ってモチベにつながるので、どうかよろしくお願いします。


次の更新が楽しみだと思われた方は、良いねコメント★拡散等で応援していただけるとありがたいです。

よろしくお願いします。




最新話までお読みいただき、感謝致します。


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