第82話 夜魔葬列
私の切り札であるこの魔法はアカシックレコードを参照して私の行動を乱数として入力し、望む
ちなみに、私が望まない結果につながる、
で、アカシックレコードにアクセスする際に、現在の私を取り巻く状況と日時を
……いや、私も初めて知った仕様なんですが。何この魔法、優秀過ぎません?
今回は、通常型の魔物で意思を持った酸素の魔物と相対している状態を起点としてアクセスした結果、魔物の状態が記述と違うのでエラーとなったわけですね。
しかし、第二種群体だったというのは想定外です。いや、納得できる点は多いんですが。
まず、博士号を取った人間の知性を引き継いでいるにしては流石に思考回路が短絡すぎます。そもそも、熊に憑依するぐらいなら一般市民に憑依して政府施設や米軍基地なんかを攻撃させたほうが厄介さで言うなら5ランクぐらい上です。
やってくる戦術も対策が立てられる範囲ですし、突飛な行動に驚きはしてもそこに深い戦略なんて無いので容易に次の手が読めてしまいます。
多分、第二種群体になったせいで在り方があまりに変わりすぎて脳とかが再現しきれていないのでしょう。
後はやたらと多い魔力量とか、耐久力が低くて依霞さんの魔物を溶かす霧を抜けることができない点とか。
気がついてしまえばそれらしい点はいくらでも挙げられそうですね。
まあ良いです。これでこいつを、エヴゲーニヤをぶち殺す算段が立てられます。
──指定因果への乱数策定・代入、
大丈夫そうですね。後は私の魔力が足りるかどうか次第です。
まあ、蘇生の魔法を起動させるには少し足りませんでしたがこれまでの戦闘中ずっとこのクソ博士から魔力を奪い続けていたお陰で結構な量が貯まっています。
あと、いざとなったら理珠さんの魔力を借りてしまえばいいんです。そのための同調再臨でもありますからね。
『どうしたの?ああ、身体を明け渡したら結局21番が死ぬって悩んでいるの?大丈夫よ。この子は大事な駒なのよ?貴方に憑依したらその救世主の魔法で回復させてあげるわよ』
余裕たっぷりな顔でピーチク囀るのがほんっと癪にさわりますね。
そもそも、ミラさんといいコイツといいスパシーチェリ、スパシーチェリってうるっさいんですよ!流石に調べましたよ。救世主ってなんですか私はただの中二病ですよ!
──
様々な
どれぐらい慣れたものかというと、現実世界の状況を認識しつつも流れ込んでくる
まあ、無茶ではあるので脳自体が軋むような背筋が泡立つほどの痛みがありますけど、ここまで耐えてくれたミラさんに比べたらきっと大した事無いですよ。
──
……ところで、剪定された未来での戦闘のログを処理しててわかったんですが、このクソアマ、戦闘領域からかなり離れた地点に群体の3割ちょっとを待機させておいてこの場では絶対に滅ぼされないようにしてやがりますね!?
いくら演算しても倒せる
良いですよ卑怯者。そんなチキンな対策をしてくる外道には私だってルール違反な手段で対策してやろうじゃないですか!
──指定因果の条件変更・指定因果適合乱数を13種までストック・乱数策定・代入、
私が今使える魔法では、遠隔地に群体を分離して保険をかけているこの透け女を倒し切ることはできません。
かと言って、今からこいつを仕留めきれる魔法を作り始めても時間がかかりすぎてミラさんの無事が保証出来ません。
ならどうするかって?未来の私が作った魔法を現在の私が使ってぶち殺すだけですよ。ね?簡単でしょう?
ヤツを仕留めきった
相手が反則じみたやり方で安全を確保してるんですから、私だって反則じみたやり方で倒し方を探すまでですよ。
ただまあ、この場で私が新しい魔法を作って放つまで居座ってくれるほどこのクソ酸素もアホではないので、時間短縮のために
仮想の私が更に仮想の私を作って、その全記憶・全記録がまとめて今の私に叩き込まれるわけです。
流石に脳の負荷が洒落にならなく……あ、血涙が流れ始めましたね。
これは、短時間で終わらせないと確実に脳に後遺症が残りますね……。
──適合乱数規定数に到達・魔力消費量順に一覧を生成──
ん、何とか私の脳がぶっ壊れる前に第1段階が終了しました。
後は私がこの中から使う魔法を選んで、その魔法を使う前提で再度
正直、口の中も血の味がしてますし耳からも何か垂れてる気がしますし、傍から見たら立ってるだけの人間が急に血を吹き始めるんですから驚きますよね。
『出血?急にどうして?何をしようとしているかしらないけど、やめたほうが良いわよ?ほら、21から私の魔力を引きはがすわよ?良いの?』
エヴゲーニヤがなんか喚いてますが今忙しいんですよ!ちょっと黙ってて下さい!
あ、この魔法なんて良いですね。救世主呼ばわりしてくるコイツの思い込みを全否定出来そうな悪いヤツです。特に原罪教の善の側のヤツは絶対に使わない類の。
しかもこれ、普段の状態でも使えそうなヤツじゃないです?魔法じゃなくて呪いカテゴリーだから魔法7つ縛りの適用外?いいですね。同じ条件で作れば呪いも7種類作れそうで戦術の幅が広がりますね!
よし、コイツをメインに
──指定因果への乱数策定・代入……条件適合、式を出力──
お、さすが
じゃあ、後はこの算出されたチャートに従ってきっちり憂さ晴らしするだけですね。
……なんか、私の
え?流石にこの使い方は想定外?できちゃったんだから別にいいじゃないですか。
さて、とりあえず随分と黙ってたのでそろそろ喋りましょうか。
いや、あっちの言ってることもわかりませんし、どうせ私の言ってることも伝わらないんだとは思うんですが。
「さっきからごちゃごちゃとうるさいんですよ。人の妹分を散々いたぶっておいて……。死んだほうが良いって思う目に合わせてやるから死体は黙ってろってんですよ!」
叫びと同時に黒い、暗い魔力が私の影から溢れ出しました。
ここから起こるのはただの惨劇、卑怯で姑息な死人の残り滓が狂い死ぬまでの
さてさて、お客様方。この喜劇を、この悲劇を、最後までごゆるりと御覧ください。
「
──七罪呪法・演目『夜魔葬列』──
☆★☆★☆★☆
はい、中二病御用達の七つの大罪です。
関連する悪魔含めて、みんな一度は調べますよね?調べますよね?
あとまあ、クライマックスるとセヴンスさんが急に中二病出してくるのでBGMをMYTH & ROIDとかALI PROJECT辺りにしてお楽しみ下さい。
次回、セヴンス大勝利!希望の未来へレディ・ゴーッ!!
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