涙石度数
香夜
第1話
死のう。そう決めた私は授業を突然抜け出して屋上へと走った。先生や皆は驚いた顔をしていた。
「待て!雨音!」
先生の言葉も無視して走った。屋上についた私は靴を脱いで、ピアスを取って、ネクタイをほどいて手すりをまたいだ。下を覗けばキャーキャーうるさいみんなが窓を覗いて私を見ていた。先生も窓から顔を出し「やめろやめろ」と叫んでいる。最高の死だ。私を虐めてきたやつの記憶に一生残ってやる。虐めてきたことを後悔させてやる。私は泣いていた。不気味な笑い声が聞こえたが、きっと私の笑い声だろう。その時の私はきっと醜い姿だったと思う。私は笑いながら屋上から勢いよく飛んだ。
飛んだ瞬間声が聞こえた。
「狂いの涙か。いいね、面白い。」
女の子、?私と同じぐらいの年齢だろうか。そう思ったときには飛んだはずの屋上に戻っていた。
「え…?なんで…」
「どうせ死ぬならさ、私の仕事を手伝ってよ。」
君にはいいものを見せてもらった。
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