第189話 被害者(?)の要望。
承の事も気になるけど…俺も色々案件を抱えているわけで。
3通の手紙。
愛莉先輩の誹謗中傷。
九頭の処分。
九頭の処分だけは直には関係が無い。
…無いんだけどさ?
テニス部コーチ『この度は練習参招待に参加してくれたのにこんなトラブルになってしまい…誠に申し訳ございませんでした。』
望『…怖かったよぉ。』
…俺は何を見せられてるんだ…?
話は少し遡る。
☆ ☆ ☆
GW明け平日に戻ったね。昨日は承が突然訪ねて来て…見た事無いほどボロボロになっていた。
俺はそのケアもしてやりたい。
でもさ?
休み時間1
永瀬『今日部活終わったらさ?お茶しようよ?』
永瀬さんがポニテ揺らしてニコニコお誘い。
休み時間2
愛莉『練習後にね?スポーツ用品店付き合ってくれないかなー?』
愛莉先輩はキラキラお目目でおねだり。
昼休み、
日奈子『宏介くん先輩!秘策がありますよ!
敵も味方も一網打尽death!』
日奈子…日奈子って呼べって五月蝿いから…。
『味方も一網打尽にしてどうする?』
deathって…。
日奈子は外はねの茶色い髪を揺らし秘策!って連呼する。
絶対に軍師にしちゃいけない子だよね。
日奈子『まあまあ、そろそろ宏介くん先輩も心当たり当たる頃でしょ?
私も連れてって?くだサイ。
違う視点の推理聞きたく無いでスカ?』
こいつ…おバカっぽいけど切れるんだよな…。
こないだの分析とか理に適ってたし。一応小佐田さんの知り合いみたいだし…。
スマホにロインが来ててそれをチェックする。
まじか…。
『…明日なら、大人しくしてるなら連れてくけど…トラブル起こさないって約束出来る?』
日奈子『…鳳雛の名に誓って(笑)』
『…(笑)入れんな。』
なんかこいつ望と気が合いそうな気がする…。
ちなみにロインは望からだった。
…俺は先に保留してた愛莉先輩と永瀬さんに今日は所用があって部活行けないって連絡入れた。
☆ ☆ ☆
望『宏介くーん!こっちー!』
『…ここは俺の家の前だが。』
望『ロイン見たよね?
言いそびれてたんだけどさ?』
『…ちょうど犯人が断罪されるとこに出くわした。』
俺は小佐田さんと田中くんの九頭断罪劇話しをする。
田中くんにこないだ聞いたらしいんだけど俺の視点でも聞きたい!って。
望『くずw名は体を表すぅw』
望は大ウケで詳しく聞きたがったが今日はそれどころじゃない。
望『それでね?今日北翔のテニス部コーチさんがお詫びに来るんだよ。
私よくわかんないから宏介くんなら北翔だし、お兄ちゃんみたいなもんだし、一緒に聞いて欲しいな。』
おねがい!妹分に頼まれれば嫌とは言えない。
承の話をしながら待つとすぐに場が整う。
新川中側はテニス部顧問の先生と望。
北翔からは女子テニス部コーチと男子テニス部の顧問の先生が来た。
ふたりして怪訝な顔。そうだよね北翔の制服の男子が居ればそうなるわな。
望『あたしのお兄ちゃん…?お兄ちゃんの親友…?
幼馴染?幼馴染です!』
※望が宏介の幼馴染を自称し始めましたw
場が整い、来賓室で話し合いが始まる。
まず北翔の女子テニス部コーチが、
テニス部コーチ『この度は練習参招待に参加してくれたのにこんなトラブルになってしまい…誠に申し訳ございませんでした。』
男子テニス部顧問『本当は本人も連れて来るべきなのでしょうが怖がらせるといけないので私たちだけで参りました。誠に申し訳ないことを…。』
新川中のテニス部顧問の先生は…。
新川顧問『…本当にうちの望が?加害者じゃなくって?反撃してませんか?』
顧問の言葉を遮るように、
望『…怖かったよぉ。』
望は泣き真似し始めた…
自分のとこ顧問だけは騙されてないのが可笑しい。
改めて話の流れを確認する。
北翔の練習参加後に望が人通りの無い通路を歩いていると、
男子テニス部員の九頭に掴みかかられて、
男子テニス部顧問『その時…九頭は『尻を見ろ』『太ももは凶器』などと言いながら…立花望さんに掴み掛かり、大腿部に手を伸ばしたと目撃者が居ます。』
真面目な顔でおじさんに尻を見ろってコメント言われるとツボに入る。
望がシリアスな劇画タッチの顔してる…これ笑えない場所で可笑しくてたまらない時の望の顔。
男子テニス部顧問『九頭は…加害者男子生徒の九頭は現在停学10日の検討で処分が内定しています。』
(余罪はもっとあるからこの件では…って事だな。)
そう思った。
そんなやらかし生徒の話を他校にしたく無い…日奈子の分析通りだな。
※179話 日奈子の報告参照。
九頭にとって問題は余罪の方だけどこの件が発端だからこの処分が今後の処分に与える影響は大きいかもしれないって思った。
女子テニス部コーチ『立花さんから加害者男子生徒に要求や処分の事について何かありますか?』
男子テニス部顧問『…出来るだけ心情に寄り添いたいと思って居ます。』
こんなの女子中学生に聞いたって普通はそれで良いですとか、再発防止の話でしょ?
正直美容院でかゆいとこありますか?みたいなものでなんか言いにくい。
まして他人の処分に関する事だよ?普通言えない…。
…普通なら。
望『…厳罰を希望します♪』
先生一同『『『え?』』』
望『名前聞いてわかったんですけど?
うちの先輩たちそのクズの人にナンパされましたし?
女子中学生に掴みかかる…もう更生無理ですよ。
去勢した方が…!』
先生方も困り顔。
大体処分なんてある程度決まってて、被害者とは言え女子中学生が処分に口出すなんて普通はしない!
…普通じゃ無いんだよなぁ。
望『あまつさえ!女子中学生に!
『俺の尻を舐めるように見ろ!』とか『お前の太ももは凶器はぁはぁ』とか…
死刑か処刑でしょ?』
流石に死刑も処刑も…。
望『とにかく!厳罰を望みます!』
こうして!って希望は無いです。でも処分だけは教えてください。
望の要望で話し合いは終わった。
北翔での処分が出たら望に連絡が来ると。
謝罪もお詫びも要らないです厳罰を。望は念を押した。
☆ ☆ ☆
望『あー!終わった終わった!宏介くんごめんね!来てもらって!
1人だと言いにくって♪』
『…絶対言ったろ?1人でも。』
望『えへへ♪
…だって、九頭が何したか田中くんに聞いたんだもん。
そんな事があったんだね。』
『…もう過ぎたことだよ。』
望『…それプラスJCお触り事件だもん。
『…JOJOかよ!』
ニシシ!って承の友達の巨乳ギャルの笑い方そっくりに望は笑う。
一つだけ聞きたかった事がある。
『…本当はさ?先制攻撃したの…望じゃないの?
九頭って知っててやったの?』
望はキョトン顔。
望『ほんと知らない。
屑龍閃を10発しっかり叩き込んだだけだよ!
先制…。』
望は考えこんでまたニシシ!って笑いながら、
望『予襲と復讐はシッカリと♡』
※
『…ほんっと猛獣だわ。』
望『だがそれがいい!』
望は全く悪びれもせずに言い切った。
まあ望だからね…。
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