　未知の未来発生を防止するために、仕方ない。

　私は声を張り上げて割り込む。

「お嬢さん、危ないっ。その荷物には爆弾が仕掛けられているっ！」

「ええっ、そうなんですかっ！？」

「だが、安心したまえ。この私が爆弾を解除して、中にいる少年を見事救い出してみせよう」

「だっ、大丈夫なんですか？」

「私はこうみえて爆弾解除マスターなのだ。だから安心して、この場から逃げるといい」

「わっ、分かりました。きっと、助けてあげてくださいね」

　そう言って、ヒロイン退場。

　軽い足音を残して、この場から離れていく。

　その後姿を見つめるクリスが「ヒロインの性格はわかっていましたけど、まさかお嬢様のあんな演技にだまされるとは」とこぼしていた。

　それ、どういう意味？

　後で詳しくきかせてもらうわよ。

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