23 謎のヒーロー美少女仮面



「せめてもう少し、マシなもので顔を隠してください」とクリスに渡されたのは怪しい舞踏会で参加者がつけてそうな仮面だ。


「死の運命でマローナに監禁される前に、犯罪者扱いされて牢屋に入れられてしまいますよ」


 それはいけない。


 大勢に指をさされる人生も、耐え難い運命だ。


 私はおとなしく、クリスの案を採用することにした。


 そして、二コラの控室に。


 扉の前には、これ見よがしな荷物が置かれていた。

 とても重そう。


 よし、あれをどかしたら、中から開けられる前に退散しよう。


 そう思った矢先に、「どっ、どちら様でしょうか?」とヒロインに声をかけられた。


 とても珍妙な物を見るような視線を向けられる。


 なんでここに!?


 一体何の用でここにと思えば、ヒロインが口を開いた。


「素敵な演奏をする人とお話してみてくて」


 そう来たか!


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