第2話「全社の共鳴」社員たちの反応

拍手が終わると、会議室内には熱気が充満していた。社員たちの間には、正樹の発表に対する様々な反応が交差していた。


片隅では、中堅社員の伸一が同僚と話していた。「デジタルマーケティングか…。正直、よくわからないな。でも、新しい挑戦ってのは面白そうだね。」


彼の隣では、若手の美智子が熱心に意見を交換していた。「これはチャンスだよね!新しい技術を学べるのは、私たち若手にとってすごくいい経験になるはず。」


しかし、すべての反応が肯定的なわけではなかった。年配の部長、清水は慎重な様子であった。「一昔前は、電話と足を使った対面の商談が主流だった。新しい方法を学ぶのは時間がかかるだろうな…」


その頃、正樹は社員たちの反応を静かに観察していた。彼は亮太の肩を軽く叩き、「亮太君、期待していますよ。一歩一歩、社員たちを新しい世界へと引き込んでください。」


亮太は緊張していたが、正樹の言葉に励まされ、頷きを返した。「はい、頑張ります!」


里美はそんな亮太の背中を見つめながら、自分も何かできることはないかと考えていた。そして、彼女は小さなアイディアを思いつく。彼女は正樹と亮太に近づき、「みんなにデジタルマーケティングの魅力をもっと理解してもらうため、ワークショップを開催するのはどうでしょう?」と提案した。


正樹は里美の提案に目を輝かせ、「それはいいアイディアだね。亮太君、どう思う?」と尋ねた。


亮太は思案しながら、「ワークショップがあると、実際に体験することで理解が深まるでしょう。賛成です。」と返答した。


そうして、橋本商事の新たな挑戦は、亮太と里美、そして正樹の三人を中心に、社員たちの参加を得ながら少しずつ進行していくこととなった。

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