第1話「新しい風」エピローグ
夕方、オフィスの窓越しに都市の夕景が橙色に染まる中、里美と亮太は大きなディスプレイの前で議論していた。画面にはグラフやデータ、そして新しいマーケティングプランの提案書が映し出されていた。
「このデータをみると、新しいプラットフォームが実際に成果を上げる可能性が高いと考えられます。」亮太が指を動かしながら説明を始める。
里美は少し考え込みながら、「しかし、新しい取り組みには必ずリスクが伴います。私たちが失敗すれば、橋本商事の将来が危うくなるかもしれません。」と返答した。
亮太は真剣な表情で、里美の目を直視した。「そのリスクは承知しています。しかし、これからの時代、何も変えなければ確実に取り残されてしまいます。変革の時です。」
2人の間には、共通の信念が芽生えていた。それは、橋本商事を新しい時代に適応させ、更なる飛躍を目指すというもの。
突然、ドアが開き、正樹が入ってきた。「2人とも、良い時間に来たようだ。」と彼は微笑む。「昨日の会話から、私も色々と考えさせられました。そして、新しいマーケティング戦略に賭けることを決意しました。」
里美と亮太は驚きの表情を浮かべるが、正樹は続ける。「しかし、これは大きな賭け。だからこそ、全社を挙げて取り組む必要がある。明日の朝会で、私が全員に新戦略の導入を発表します。」
里美は深く頷き、感謝の言葉を述べた。「正樹さん、私たちの提案を受け入れてくださり、ありがとうございます。これからの橋本商事の成功のため、全力を尽くします。」
その日の夜、里美は自宅のデスクで今日の出来事を振り返った。彼女の前には新しいマーケティング戦略の初稿が広がっていた。そして、彼女はその文書の最後に、「新しい時代の橋本商事へ」という一文を加え、パソコンを閉じた。
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