第5話 清壱の気持ち

「なぁ、亜熊が、、、、、」

「なぁ、清壱、少し、亜熊、亜熊、ってうるさくないか?」

「そ、そうだよな、ごめんごめん。」

そういって笑っていた清壱の顔は、どこか戸惑ってて、少し悲しそうだった。

「せ、清壱、、、?」

「じゃあな。」

明るい顔して清壱はどこかに行ってしまった。

なんか、悪いことしちゃったな。


その後も僕は清壱のことが気になって授業が何も頭に入ってこなかった。

そして、僕は清壱に、そこまで亜熊さんを気にする理由を聞こうと思った。そして、あんなに切なそうな顔をした理由を。


「清壱!」

「おっ、実。」

「あ、えっと。。。」

「きっと、亜熊のことだよな。」

「う、うん」

「今日の放課後、3B5教室に来てくれないか。」

亜熊さんを呼び出した教室。。。

「わかった。」


とうとう来てしまった。。。

放課後。それは、来てほしくない日に限って早く来る。塾がある日とか。

僕は仕方なく3B5教室に足を進める。

「あ、実!」

「清壱。。。」

「じつは、実に伝えたいことがあるんだ。。。」

「僕も!清壱に伝えたいことが。」

「実が。。。分かってるよ。なんで亜熊との仲を裂こうとするか、だろ。」

「裂くっていうか。。。まぁ。」

「じつは、俺!!!!」

なんか、夕日のせいか、清壱の頬が赤い気がする。。。気のせいか?

「実のことが好きなんだ!!!」

「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

え!?え!?え!?え!?

自分でも顔が真っ赤になっていくのがわかる。体中が熱い。でも、僕は、恋愛対象は女子のはずなんだけど!?

「実、、、、、、、」

クイッ。

あ、あ、あ、顎クイ!?

あわわわわわわわわ!

「俺は本気なんだ!」

キュウ。。。。

でも、しばらくすると、清壱はふとつぶやいた。

「ごめんな、実。嫌な思いさせて。でも、もうこれでいい。自分の気持ちは伝えられたから。。。。もし、実がいいなら、これからも、いつも通り接してくれると嬉しいな。でも、どっちでもいいよ。関係が崩れること覚悟で告白したから。」

清壱は悲しそうに笑ったが、その顔はさっきよりも明るかった。


「まって、清壱!

 真剣に、考えてみるよ!それと、嫌な思いしてないから!」

そういうと、清壱の表情が、ぱぁぁぁっと明るくなった。

「返事、待ってるぞ!」

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