第92話 夜泣きと寝不足
――眠い。
物凄く眠い。きっと目にはクマが出来てるね。別にそれは良いのだけど――
「おはよ。なんだ。寝れてないのか? またクマ――」
「フンッ!」
「オワッ⁉」
今朝の私はすこぶる機嫌が悪く、欠伸をしながら部屋に入ってきたエドに思わず蹴りを入れてしまう程でした。
「痛っ! いきなりなんだよ⁉」
「ぐっすり寝れたようでなによりね!」
「なんだ寝れてないのか」
「うるさいっ!」
まだメグちゃんが寝ていると言うのに声を荒げる私はそれだけ機嫌が悪いのです。だってほんとに寝れなかったんです!
私が布団に入ってしばらくした深夜。いきなりメグちゃんが泣きだし、そのまま時間だけが過ぎて気が付けば朝。メグちゃんはなんとか寝てくれましたがおかげで私はほぼ徹夜状態。機嫌の一つや二つ悪くなって当然です。
「ちょっとリビングで寝て来るからメグちゃんお願いね!」
言葉荒げに部屋を出る私はエドを残してリビングへ直行し、そのままソファーへダイブしました。きっとあれが世に言う夜泣きと言うやつなんだ。分かっていたつもりだけど、いざ目の前にすると何も対処できない。そんなイライラもあったのかな。あとでエドに謝らなくちゃ。そんなことを思うけど眠気には勝てそうにありません。
(お店開けるまででも寝なきゃ)
ソファーに飛び込んでほんの数秒。意識が遠のき、深い眠りにつく私が目覚めたのはお昼過ぎ。普段ならとっくにお店を空けている時間でした。
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